岩波新書「中南海」を読んでー中国の思い出と一緒に
今先日書いた「戦国の日本語」と並行して「中南海」を読んでいます。中南海と言うのは、中国共産党指導者の住まいや政府機関などがある一帯です。
北京にあります。恥ずかしながら、3年間中国にいたのに、北京には行ったことがありません。いつも上海からおじさんの町へ飛んでいました。
日本語学部の学部長の先生によると、一般に言われているように党書記の方が学院長より上位だと言うこともないそうです。もちろん、大学の場合、大学教員で党員の人が学院長や党書記になります。
学院というのは日本で言う学部に相当します。学院長だった人が党書記になったりするのが普通なのだそうです。先生方の間では党書記になると権限が学院長よりないと言っていました。
学院長になった方は女性の英語の先生でとてもきれいな英語を話します。同じ日本語学部の先生のご主人が市の党の偉い人がいました。ご自分もVWに乗っていましたが、ある時日本語学部の旅行に行ったら運転手付きの自動車に乗ってきました。
この方はまた解放軍の少将とチベットに旅行したとも言っていました。学生さんにも党員がいました。おじさんの授業内容も逐一報告されていたと思います。クラスから党員を選挙で選ぶとも聞きました。
優秀な学生を表彰するときも、党員とか共青団とか書いていました。民族が書いてあるのも印象的でした。(漢族・チュワン族など)
別の先生のご主人は大学の管理部長のような立場でしたが、人事異動で市内の県長に転勤したそうです。もともとは大学の建築学部の先生だったそうです。県は日本でいう郡に近いものです。
中国共産党も優秀な人材を選んで党員にしているようです。就職に有利だし、公務員になって出世するにも党員になる必要があります。中国で党員になりたいと言えば、出世したいと同義のようです。
もし、中国に行って生活しなければ分からなかったこともたくさんありました。この本にもあったように、行政機関に警備は緩いのですが、共産党の機関の警備は厳重です。
おじさんの市の共産党本部の入り口には銃を持った警備員が立っていました。一度行った市の党学校の警備員もおっかなかったです。トイレに行くのにも呼び止められました。
そうは言ってもそんな党施設に外国人それも日本人の大学教師を入れて、市幹部の研修である岡本行夫の講演会を聞かせてくれるのですから、中国人というのはある種度量の大きさをもっています。
市幹部のいる部屋でも当然日本語で話しますから、出席者はおじさんたちが日本人少なくとも外国人と分かったはずですが、何の反応も見せませんでした。
中国に滞在するといろいろな体験ができるものです。