新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

劇場政治の終焉ー大阪住民投票から

 昨日の予告通り大阪の住民投票について書きます。出口調査では賛成・反対が拮抗しているという報道を見て心配していましたが、午後10時過ぎに反対が僅差で勝ったと聞いてほっとしました。

 今日のタイトルの通り小泉政権選挙に始まった劇場政治がやっと終わりました。劇場政治はまさにドラマのように話題を次々に作って政治を進めるものです。

 小泉さんが引退し、最後に残った橋下さんも引退を表明しました。劇場政治のもう一つの特徴は敵を設定してそれへの攻撃によって自分の支持率を上げると言う手法です。

 敵に対しては容赦ない攻撃をしますが、自分の失敗についてはうまくごまかします。小泉さんでいえば郵政族が敵で、悪者扱いされました。その郵政族を守ろとする議員も容赦なくたたきました。

 今郵政がどう変わったのかなど誰も話題にしません。また官僚や公務員をたたくのも劇場政治の特徴です。今は景気も回復し民間企業も元気になったので、公務員たたきも減りました。

 公務員より東京の大企業の社員の方がはるかに好待遇です。今回の大阪の住民投票ではシニアの反対が多かったので、シルバー民主主義などと言われました。

 民主主義は多数を占める方が勝ちます。その多数を何が構成するかは問題ではありません。強力な組織票を有した、かっての農協や医師会は大きな政治力を有しました。

 民主主義は投票によって全てが決まります。つまり文句があるなら投票に行きなさいと言うことです。また世代間で考えに違いがあるなら、自分の意見を取り入れたもらえるよう反対派を説得しなければなりません。

 シニアにとって現状をさらに変更する必要を持たなかったと言って非難されるいわれはありません。シニアに不利な政治であれば、それに賛成しろなどと言っても無理です。

 自分にとって一番有利な選択をするのが人間だと思います。現在のシニアもまもなくいなくなります。その時は若い方が自分たちの政治を行えばよいのです。

 シニアも税金を払っているので、自分の意見を主張する権利があるのです。橋下さんについて言えば、彼が任命した民間からの人材のひどさには呆れます。

 校長に任命した人も区長に任命した人にも不適格な人がいました。行政や学校の現場から選ぶ場合は長い時間をかけてみているのでそんなにひどい人は任命されにくいです。

 任命した市長である橋下さんは、自分の任命した人の不祥事はそれほど問題にしません。自分を批判する人には容赦ないのに、自分の失敗には甘いと言えます。

 もし、住民投票で賛成が多数を占めて、府と市両方の権限を握ったらもっと大変なことになったでしょう。これで府知事と市長を維新以外の人がなったら、政治は常識的なものになるでしょう。

 小泉さんと同じ時代に阿久根市で市長がとんでもないことをしました。しかし、市長が交代して常識的な市政になりました。最近では武雄市の元市長が知事選に出て敗れました。この武雄市長もマスコミ受けする人でした。

 以前ならマスコミにもてはやされる人が当選してきましたが、やっとマスコミ受けするだけではダメだと言うことがわかってきました。

 あるマスコミでは橋下さんの破壊力を評価すると言っていました。破壊以上に新しい物を作るのは難しいのです。アラブの春は既成の政権を倒しましたが、その後来たのは混乱だけでした。

 まあ、出馬する可能性は全くないと言いながら出馬した橋下さんですから、来年の参議院選挙に出馬しない可能性はないと言えません。それ以前に市長選挙に出ないと言いながら出馬するかもしれません。

 一度あることは二度あるからです。今日の株式相場は値上がりでしたが、おじさんの持ち株はほとんど無関係でした。