新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

国債の最後の買い手は誰。

 このこところ政治ネタばかりだったので、久しぶりに経済ネタを書きます。株式市場はギリシャと中国の問題が一段落したので、買い戻されているようです。

 おじさんの持ち株の一部も少し戻してきました。それでも年初来高値からは程遠いです。安倍政権の支持率が低下しましたが、それは安保法制に対するものです。

 もちろんアベノミックス評価についても一時の大賛成から次第に冷めたものになっています。今頃経済雑誌でも新聞の経済欄でもアベノミックスについて書かれたものを見ることはほとんどありません。

 アベノミックスの第三の矢など完全にマスコミから忘れされれています。しかし、第一の矢である異次元の金融緩和はどこかで決着をつけなければならないのです。

 不思議とこの話題はマスコミでも取り上げられません。一種のタブーなのでしょう。今市中にお金を供給するために日銀は国債を買いまくっています。

 それまで国債保有していた都市銀行や共済組合、年金などがかなりの部分を日銀に売却してしまいました。この後、株式比率を高めて国債費率を下げるのですから、日銀が国債の買い入れをやめても都銀や共済・年金が国債を買うとも思えません。

 日銀が異次元の金融緩和をいつ辞めるかは不明です。もしそんなうわさが流れただけでも金融市場に大きな影響を与えるでしょう。

 日銀が国債を買うのをやめるというのは、即円高につながるでしょう。また、物事は需要と供給で価格が決定します。当然のことですが、国債の場合買い手が多ければ、またいくらでも買う買い手がいれば、金利は安いです。

 しかし、一旦買い手がいなくなれば、金利は高くなります。国債でいえば金利を高くしなければ売れないからです。金利が上がればすでに売られている金利の低い国債は額面より安く買われることになります。

 日銀にとって今保有している国債の価格が下落すれば、決算に大きな影響がでるでしょう。また政府としても今までの日銀がほとんど全て買い取っていた時代より高い金利国債を発行しなければならなくなります。

 そこまでしても買い手はつくのでしょうか。銀行はすでにもっている国債の価格下落によって資産評価が下がりまっす。簡単に言えば含み損を抱えることになります。

 ですから、これ以上国債を買わなくなります。銀行金利が今のままだと比較有利になった国債を個人が買うようになるかもしれません。そうなれば問題はそれほど大きくなりません。

 ただ安くなった国債を外国人投資家が大量に買うと難しいことになります。外国人投資家の場合いつ国債を売る出すか分からないからです。

 大量に購入して大量に売れば国債相場は不安定なものになります。価格維持のためこれまで国債を売って株を買っていた年金や共済に国債を買わせれば今度は株式に売りがでて大変なことになります。

 異次元のものを普通の次元に戻すのは大変なことです。異次元なことをしたので、相場全体にひずみが出ています。ひずみを直そうとすると痛みを伴います。

 それでもひずみが小さいうちならいいのですが、ひずみが大きくなればなるほど痛みも大きくなります。アベノミックスは安倍さんが始めたのですから、安倍さんが退陣すればアベノミックスも見直されるでしょう。

 その意味でも早く安倍さんが退陣して異次元緩和が早く元に戻ることを祈っています。そうでなければ、第二の新国立競技場になるでしょう。傷は早いうちに治すのが一番です。