カインとアベルー歴史上最初の殺人事件
今日は日曜日なので恒例の教会ネタです。今日も今日の礼拝説教からです。創世記からです。神は世界を作り、神に似せて人を造りました。
楽園から追放された二人の間に子供が生まれます。最初の子はカインと言い「土を耕す者」つまり農夫となります。次の子はアベルと言って「羊を飼う者」になります。
さて時を経て二人は神様に献げ物をするのです。カインは「土の実り」をアベルは「羊の群れの中から肥えた初子」をもってきます。
なぜ神がカインの献げ物に目を留められなかったかについては諸説あります。通説はカインは通り一遍の献上品しか捧げなかったのに、アベルは自分の羊の中で一番よい物をささげたのだと言うのです。
実は神様から目を留めてもらえなかった後の行動からカインの性格がうかがえます。カインは神様から自分の捧げ物が認めてもらえなかったことに対して「激しく怒って顔を伏せた」とあります。
神様の行為に対して激しく怒るなどと言うのは不遜な行動です。人の顔をまっすぐ見れないと言うのは何か含むところがあるからでしょう。
もしカインが素直な気持ちでなぜ神が自分の捧げものに目を留めなかったのかを考えるなら後の展開は違っていたでしょう。現代社会でも逆恨みに近い形で自分の感情をぶつける人が大勢います。
ちょとしたことで激情する人がいるのです。カインもそうでした。何と、かれは弟のアベルを妬んで「カインは弟アベルを襲って殺し」てしまうのです。カインは弟アベルに声をかけとありますから、お前に話があると言った誘いだったのでしょう。そしてアベルを野原で殺し埋めてしまうのです。
神様から「お前の弟アベルはどこにいるのか」と聞かれたのに、「知りません。私は弟の番人でしょうか」ととぼけるのです。神様はもちろんすべてをご存じでした。
「何ということをしたのか。お前の弟の血が土の中から私にむかって叫んでいる」と神様は言います。何とリアルな言葉でしょう。聖書の言葉は読む者をどきりとさせます。
カインは皆は自分を殺すでしょうと言いますが、神様はカインを死に合わせることなく主の前を去らせます。そしてカインは「エデンの東」に住むのです。
年配の方はご存じと思います。あの名画「エデンの東」はこの聖書の逸話から来ているのです。日本人は聖書の逸話を知らないので、映画の題名を聞いてもその下地になっている逸話を思いつかないでしょう。
人間の罪の深さを象徴しているのが旧約聖書の創世記なのです。そういえば有島武郎の作品に「カインの末裔」(まつえい)というのがあります。有島はクリスチャンだったので、聖書のカインの話をもとにこの作品を書いたのでしょう。
ちなみに「末裔」というのは子孫という意味です。興味のある方はぜひ旧約聖書の本文を読むのをお勧めします。創世記4章1節~16節です。