新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

宮城県議選の波紋

 今日は久しぶりの政治ネタです。安保法制の騒ぎが通り過ぎて政治の世界は静かになったのかと思いました。日本人は何か燃えて居る時は意気盛んですが、それが終わると一気に熱が冷めます。

 いわゆる熱しやすく冷めやすいです。しかし、今回の宮城県議選は政界に大きな波紋を投げかけたはずです。今回の県議選で勝利したのは何と共産党だったのです。

 9人立候補して8人当選したのです。90%の当選率です。もちろん第一党は自民党です。27人ですから、圧倒的な強さです。しかし、34人立候補しての話です。

 公明党は全員当選ですが、それでも4人です。民主党議席を減らしています。簡単に言えば共産党の一人勝ちということになります。

 反自民無党派層共産党に投票したことになります。共産党の強力な支持層というのは数がが限られているはずです。ですから、無党派層で今の政治に不満を持つ層が広く共産党に投票したのです。

 実はこの動きは日本だけではないのです。イギリス労働党社会主義的な傾向の強い議員が党首になりました。アメリカ民主党候補でもクリントンさんの対立候補アメリカでは珍しい社会主義的な考えの持ち主のようです。

 カナダでも政権交代がありました。オーストラリアでも与党の党首が交代したようです。トルコでも圧倒的な力を持ったイスラム系政党が過半数割れになりました。

 ギリシャではご存じの通り社会主義政党が政権を握っています。どうも世界的な政治構造の変化が起こりつつあるようです。

 社会主義的な政策が見直されているのは、資本主義の弊害が進んでいるからだと思います。埋められないほど階層格差ができつつあります。

 一度階層を転落すると這い上がるのが難しそうです。貧困の連鎖が日本でも起こりつつあります。一度非正規社員になると安定的な仕事につくのは難しそうです。

 富の再配分機能を重視しする社会主義的な勢力が力を持つのも分かるような気がします。もし、現在の境遇に不満を持つ非正規社員が団結して共産党を支持したら大きな政治勢力になるでしょう。

 今自民党の政治に真っ向から反対できるのは共産党だけだからです。もちろん投票した人も共産党政権ができることを願っているわけではありません。

 今の格差を何とかしてくれと思って投票しているのでしょう。来年の参議院選挙にこの動きがどう影響するか全く不明です。ただかなりの数の人が今のままでは日本があぶないと思っているのでしょう。

 安倍政権は我が世の春を謳歌していますが、危機はいつも思いがけず後ろに迫っているのです。本当は今外遊したりしているときではないのです。

 明日は授業準備をします。