新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国人口政策の変更ー待ち受ける少子高齢社会

 今日は中国の一人っ子政策の変更について書きます。先日おじさんが教えている専門学校の授業で人口について取り上げたばかりなのです。

 その中で各国の年齢階級別人口構成を取り上げました。出典は日本国勢図会の最新版です。経済統計などを見る場合、日本国勢図会が最高です。

 中国の大学で教えて居る時も使いました。今回は中国の2013年のグラフを見て学生さんに中国社会はこれからどうなるか聞きました。残念ながら誰も堪えられませんでした。

 読者のみなさんはそれほど中国社会に関心はないでしょうが、このグラフを見ると中国社会の将来が見えてきます。人口だけは急に変化させることができないのです。突然若者が増えることはあり得ません。

 幼児が少年となりそして青年になり壮年になるのです。実は中国の人口構成には大きく二つのこぶがあるのです。日本でいえば団塊の世代団塊ジュニア世代です。

 日本の場合団塊世代はすでに70才に近付き団塊ジュニアは40台を越えてきています。中国の場合最初のこぶは40代から50代の間にあります。

 そして次のこぶは20代にあります。どちらかと言うと40台のこぶの方が大きいのです。と言うことは20年後の中国では60代と40代の人間が多くなると言うことです。中国の場合、総人口が多いのでこぶの全人口での割合から言えば相当な数に上るんです。

 つまり後30年もすれば、膨大な数の高齢者が出現することになります。今の20代の若者も50歳になってしまいます。まぎれもない少子高齢社会が来るのです。

 その頃になればそもそも兵隊になれる人口も減少するし、軍事費以上に社会保障費が増大します。中国は儒教社会なので、高齢者は尊敬されます。

 自分の親が貧しい目にあっているとなったら子供世代は黙っていないでしょう。残念ながら中国の社会保障制度は発展途上です。

 このままで行けば生産年齢は減少し高齢者だけが増加します。今年突然一人っ子政策を転換しましたがその成果がでるのはずいぶん先のことです。今年大勢子供が生まれても成長するのは20年後です。

 団塊ジュニア世代で人口のこぶは終わりました。つまり団塊ジュニア世代はそれほど子供を産まなかったのです。政策を変えても人口が増えるとは限らないのです。

 日本では、今でも生まれる子供の数は減り続けています。団塊の世代は1学年で200万人以上いました。今はその半分の100万人です。

 おじさんでも人口統計のグラフを見れば中国の少子高齢社会が見えたのですから、中国政府の要人にそのことが分からないはずはありません。

 ただ一人っ子政策という大変な政策を変更するのは容易でなかったはずです。しかし、現状はそれを許さなかたのでしょう。中国脅威論が盛んです。時間は日本に味方します。

 時がたてばたつほど中国は人口の面で苦しくなります。膨張政策など取れなくなるでしょ。それより自国内の高齢者をどうするかで頭がいっぱいになるはずです。

 中国政府が今回の政策変更で正式のそれを認めたのです。中国の人口政策史上最大の政策変更です。中国では上に政策あれば下に対策ありです。二人目を認める政策がでても、庶民は一人っ子で対策を立てるでしょう。

 日本以上に学歴社会なのですから、二人も大学にやったら大変です。それに夫婦共稼ぎで子供を二人も育てる時間的余裕はありません。中国の政策変更がどのような結果をもたらすか注目されます。