新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

米中関係について

 今日あるサイトを見て居たら米中関係について書かれていました。日本のマスコミやサイトでの意見と相当異なっていたので印象的でした。

 おじさんもこの方の意見に賛成です。ところで今の米中関係に関する日本のマスコミ報道は、アメリカがとうとう中国に対して厳しい姿勢を示しだした。あるいはこの前の米中会談でアメリカは中国に冷たい態度だったというものです。

 その象徴として南シナ海において、アメリカの軍艦が中国が占有する島の周辺を航海した出来事があります。日本のマスコミはこぞってこれをアメリカの中国に対する示威行動だととりました。

 しかし、おじさんが読んだサイトでは、このアメリカの行動に対して中国はほとんど反応しなかったとしています。おじさんも、そのように考えています。

 中国もアメリカの立場は分かっているはずです。ここで中国が強く出ても何の成果もありません。アメリカも今アフガニスタンにISに対する爆撃と困難な問題を抱えているのに、南シナ海で中国とことを起こす気はありません。

 ただ東南アジアとくにフイリッピンやベトナムからの依頼でやっているだけだと思います。中国もアメリカの真意を知っているのでここは静観というところでしょう。

 そもそもアメリカと中国が紛争状態になる可能性はほとんどありません。クライゼウイツの戦争論ではありませんが戦争は政治の延長なのです。政治的に得るものがないのに戦争をしたりはしません。

 得るものの大半は経済的利益です。アメリカは中国と密接な経済関係にあります。おじさんが中国に居た時、HPの巨大な工場がおじさんの住んでいる町にありました。おじさんが中国で買ったパソコンのプリンターはHP製です。

 またフォードの自動車やGMの自動車もたくさんは知っていました。スタバ―やケンタッキーの店もありました。コカコーラは5元で小さな店でも売っていました。

 冷戦時代の米ソの間にはこんな経済交流はありませんでした。おまけに中国政府は膨大なアメリカ国債を有しています。これが売りにでればドルの価値は瞬く間に暴落するでしょう。

 もちろんドルと連動している元の価値も暴落します。日本では中国崩壊論ばかりが盛んですが、アメリカは中国が崩壊するとは思っていないでしょう。おじさんの経験でも中国の行政は共産党と一体です。

 共産党以外のグループでは行政を維持できないでしょう。もし共産党政府が崩壊したら、恐ろしいほどの無秩序が訪れます。

 イラク政府の崩壊後どうなったか読者のみなさんはご存じでしょう。アラブの春で政権は崩壊しましたが、その後に来たのはイスラム過激派の跳梁跋扈です。

 もちろんアメリカもそのことを知っています。中国もアメリカを怒らせることのリスクを知っています。ですから、どちらも出来レースじみたことをやっているのです。

 アメリカは中国の暴挙を見逃さないふりを東南アジア諸国に見せます。しかし、本格的に圧力をかけて問題を大きくすることはしません。アメリカにとって南シナ海の島の問題などどうでも良いことなのです。

 しかし、何もしないと東南アジア諸国の不満が爆発するので、象徴的な出来事としてアメリカの軍艦を航行させたのです。中国もそれが分かったいるので、申し訳程度の抗議をするだけなのです。

 尖閣諸島をめぐる問題の時の中国政府の動きとは相当異なっています。今回のアメリカの軍艦の南シナ海での航行を大きく取り上げた日本のマスコミは自分たちの願望を記事にしただけなのです。

 以前書いた「ノモンハンの夏」という本で、この事件が起きた頃日本政府は三国同盟をどうするかで議論していたとあります。議論があっている間に独ソ不可侵条約が結ばれます。

 ドイツは日本に同盟に加わるように働きかけながら、一方では日本の敵のソ連と条約を結ぶのです。ドイツは日本の味方だと信じたのに、見事に裏切られるのです。

 今アメリカは日本の味方だと日本政府も日本国民も信じていますが、いつ米中関係が日米関係より優先される時が来るか分かりません。

 と言って自主防衛で軍備拡大も困るので取りあえずアメリカ頼みで行きたいところです。明日は久しぶりに友人のミヤジイと会います。