新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国テレビドラマ「潜伏」再論

 昨日から中国のテレビドラマについて書いています。と言うのは昨日中国にいた時の大学の先生からメールが来たからです。内容はいかがお過ごしですかと言った内容です。

 この先生は毎年春に卒業論文修士論文の添削を依頼してくるのです。頭の体操だと思って要望に応えています。そのことがあってから、中国滞在中のことが懐かしくなりました。

 昨日のテレビドラマにに続いて中国で見たドラマの中で一番面白かった「潜伏」というドラマについて書きます。昨日暇だったので中国ドラマ「潜伏」でグーグル検索をかけたら結構出てきました。

 おじさんが昔書いたブログの記事もでてきました。このドラマは2009年の一番人気だった番組です。内容は国民党軍の若い将校が国民党の腐敗に憤り、自分が撃たれた時共産党側に助けられたのをきっかけに共産党側のスパイになるのです。

 と言ってもこの将校は最後の方まで共産党員にはなっていないのです。話はそれますが、国共内戦共産党側が勝利した要因に、国民党内部の離反があったようです。それは別のテレビドラマでも見ました。

 このドラマもその流れの中にあります。スパイ物と言っても密かに屋敷や軍隊内に忍び込むというようなものではありません。優秀な情報将校として勤務し、同僚や上司から信頼されながらスパイ活動を行うのです。

 もちろん、同僚の中には彼のことを怪しむものもいます。そんな危機的な状況を持ち前の機転で切る抜けるのです。主人公になった俳優さんは本来マッチョ系なのですが、今回は冷静沈着なスパイとなっています。

 このドラマの面白い点は敵にあたる国民党軍の将校たちも皆優秀である点です。さらには上司にあたる人も人間味があります。スパイである主人公を夫婦で信頼しているのです。

 ある時この上司の面前で捕まった共産党側のスパイが舌をかみ切るのです。それを見てこの上司は職務に忠実だったこのスパイに敬意を表するのです。

 また、共産党側から送られた妻と主人公のやりとりも面白いです。場所は天津と言って中国でも大都会なのに、主人公の妻は田舎から出てきているのです。主人公の同僚の妻たちは皆都会人なのです。主人公の妻は初め慣れずにからかわれるのですが、次第に都会人へと変身するところもおもしろいです。

 さらには主人公にはかっての恋人今の妻、以前付き合っていた女性と3人の女性がからんできます。そのからみも面白いです。

 このドラマの最後は一種のどんでん返しです。中国人の先生によれば、このドラマの終わり方に中国の奥様方は皆怒っていると言っていました。確かにハッピーエンドではないのです。

 このあたりもひねりが効いていておもしろいです。主人公の妻が主人公を待つ最後の場面で、おじさんは、百人一首の「来ぬ人をまつほの浦の夕凪に焼くやもしほの身も焦がれつつ」を思い出しました。

 去年くらいから北朝鮮でもこのドラマが放映されて大人気なのだそうです。おじさんも納得がいきます。中国でも各地の放送局で再放送があっていましたから。

 日本でもDVDが手に入るようです。もちろんおじさんも買って帰りました。今度また見るつもりです。明日は日曜日なので教会です。