新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

海外で病気やけがをしたらー中国での体験

 今日あるブログのサイトを見て居たら海外で病気になった怪我をした時の海外旅行保険の重要性について書いてありました。そこでおじさんも自分の体験を思い出したので書くことにしました。

 中国には3年滞在しましたが、2回病院のお世話になりました。1回目はマンゴにかぶれたのです。おじさんの大学があった町は中国西南部でマンゴーが沢山売っていました。

 マンゴーだけでなく南方の果物が豊富にありました。そのマンゴーですが、皮を厚く剥かないとかぶれるのです。それまでもマンゴーを食べたことがあったのですが、ある朝マンゴーを食べたところ、しばらくして口のまわりがかゆくなりました。

 その日は授業があったので、クラスに行くと先生絶対かぶれているので病院に行ってくださいと学生さんから言われました。病院の先生に見せるメモも書いてくれました。

 ちょうど別の用事で大学院生がマンションに来てくれていたので、一緒に行ってもらいました。病院は大学の附属病院です。と言っても医学部付属病院でなく、診療所の大きなものです。

 外科の先生がすぐ診てくれました。医者も出来高払いのようで、おじさんの診断書の一部を切り取ってボックスに入れたいました。そういえば内科に行くつもりだったのですが、外科の医者が出て来てさっさと診察したのです。

 まあ誰が見ても分かるかぶれなので、すぐ診療できたのでしょう。値段も30元(600円)くらいでした。漢方薬と西洋医学の薬をもらいました。

 2年目のちょうど今頃今度は大きな怪我をしました。イタリアンレストランでワインと食事をした後急に気分が悪くなりました。ふと気が付くと外にでていました。

 なんだか口の周りをタオルで抑えています。ツマクマが言うにはトイレに行こうとして急に倒れた意識を失ったそうです。倒れたのも覚えていませんでした。

 すぐツマクマは総領事館の知り合いに電話したのですがうまく連絡できなかったそうです。それで、大学の主任の先生に電話したら、近くの軍医大学病院に行くように言われました。おじさんの町には軍医大と普通の医科大があります。おじさんのマンションからは軍医大が近いのです。

 タクシーはお店のマスターが止めてくれて、学生さんと会うまでタクシーに乗ってくれました。学生さんと待ち合わせて、大学病院に行きました。

 そこには、主任の先生と学院長(学部長)と外国人教師担当者(外事処長)と日本に留学して博士号までもらった先生が来てくれました。

 すでに午後6時近くなっていました。すぐ教授に診てもらってCTも取りました。あとから考えると中国でなくても予約もなく飛び込みで大学教授の診察を受けるなど相当困難です。

 多分同じ大学同士何らかのコネがあって融通を利かせたのでしょう。そうでなければとても無理です。取りあえず異常なしということで点滴だけしてもらいました。

 その間の通訳はすべて日本の大学で博士号を授与された先生が担当しました。日本の近代文学専攻の先生です。近代文学で博士号を取るくらいですから、日本語の微妙な表現も理解できます。

 驚いたことに治療費や薬代は全て前払いです。2000元(40000円)先払いしました。ちょうどカードをもっていたので、すぐ学生さんにおろしてもらいました。

 海外で病気やケガをした時、病院につれて行ってくれ、通訳をしてくれる人がいないと大変だと思いました。中国の場合、コネがなければとても大病院にすぐかかることはできません。

 大学の医療保険は授業中ではない休日なので治療費全額でなく一部の800元(16000円)しか出ませんでした。と言ってもおじさんはそこそこ給料をもらっているし、日本からもお金を持って来ていたので心配はしませんでした。

 おもしろいことに、点滴の道具も薬剤もすべて事前に買うのです。その代り、その道具や薬剤を別の病院で使うことも可能です。最初だけ大学病院に通いましたが、後は先述した大学付属病院で点滴を受けました。

 結局転倒した際前歯を一本折っただけで今日まで無事に過ごしています。前歯は以前からぐらぐるしていたので、まあ仕方のないことでした。大学病院の先生は、こちらで入れ歯を作りましょうと言いましたが、日本の行きつけの歯科医院で作りました。

 今でもその歯は調子よく動いています。これがもし大学の教師でなく個人旅行だったりしたらと思うと怖くなりました。ちなみにツマクマは保険が全くないので海外旅行保険に入りました。