中国ドラマ「潜伏」再々論ー「エンターテインメントと政治性」を読んで
今日は中国ドラマ「潜伏」を取り上げた論文を読んでの感想です。ブログを書いているとできるだけ多くの訪問者を期待するものです。
ですからブログを書くとき訪問者の多いテーマを選びたくなるのです。おじさんの場合でも株ネタなどには60人近い訪問者があります。相場に大きな出来事があった時など多い時で100人くらいの訪問者があります。
しかし、教会ネタや今日のような中国ネタの場合は訪問者が少ないです。しかし、おじさんは訪問者を増やすためにブログを書いているわけではないので、人気のないテーマも取り上げます。
ところで、今回ブログでドラマ「潜伏」を取り上げたのは、先日ブログで中国ドラマ「潜伏」再論を書いた時知った論文がやっと先日手に入り、今日読んだからなのです。
「潜伏」というドラマを見ていないと論文を読んでも理解できませんが、逆にドラマを見ているおじさんにとって、書かれていた論文の内容は誠に納得できるものでした。
ちなみにこの論文の正式な名称は「エンターテインメントと政治性 スパイドラマ潜伏」というものです。著者は南真理氏で、ネットで調べたところ今は台湾の大学におられるようです。
ドラマの内容は国民党の若い将校が国民党の腐敗に憤り恋人や周りの人々の影響で共産党のスパイとして国民党の情報機関に潜伏するというものです。
論文の「政治性」というのは、現在の中国共産党の受け入れることのできる範囲内にドラマはあると言うことなのです。ただ政治性つまり共産党の正当性だけを強調するならば、ドラマのエンターテインメントが失われつまらないものになります。
同じ共産圏の北朝鮮のドラマがその典型です。エンターテインメントを強調しすぎると今度は政治性が失われます。
日本でも同様です。このドラマを日本語に吹き替えて放映することはまずできないでしょう。このドラマには濃厚な政治性があるからです。
また主人公をかばいます。本当に信頼しているのです。その夫人も主人公の妻を妹のようにかわいがるのです。また、その夫人はある時共産党側の女性兵士(本当は国民党のスパイ)が逃げて来た時も逃がしてやるのです。
主人のライバルの将校も極めて優秀です。主人公をスパイとにらんで調査するのですがそれを主人公の上司に分かり、主人公に謝罪させられます。その後主人公からなめたまねをするなと殴られるのです。
そのライバルの将校が男泣きする場面はこの論文でも取り上げられたいました。おじさんのドラマを見た時さぞ悔しかっただろうなと思いました。案外中国人の視聴者はこのライバルの将校に同情したいたのではと思います。
また、ラストで主人公が別の女性と結婚し、本来の妻が故郷に子供と帰り主人公の帰りを村の入り口で待つと言う場面は女性視聴者のブーイングを受けたようです。おじさんも、中国に居る時主任の先生からそう聞きました。
これも良くあるハッピーエンドでなく、一ひねりした造りになっているのです。ドラマはスリルに満ちています。どきどきはらはらです。まるでアメリカのスパイ映画を見ているようです。
このドラマはその年の最高ドラマ賞を獲得したようですがうべなるかなです。論文の著者と同じ感想も持ったということは、このドラマはある普遍性をもっていると思います。
BSのそれも深夜でいいから、また葺き替えでなく文字テロップでいいから放映してほしいです。北朝鮮で大人気になったのも分かる気がします。明日は日曜日なので教会です。