新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

終末期鎮静についてーツマクマの例から

 このところ株ネタばかりでしたが、今日は一転して重いテーマです。以前から取り上げようと思っていたテーマなのですが、乱高下する株価に気をとられて取り上げられませんでしたが、やっと今日取り上げることができました。

 終末期鎮静は以前NHKで取り上げられたテーマです。どういうことかと言うと癌などの終末期(死が迫った時期)に投与する鎮静剤のことです。

 なぜ鎮静剤を投与するのかと言うと癌はしばしば終末期に強い痛みを発するのです。それで、痛み止めを使うのですが、それも効かない時は鎮静剤を使って眠った状態にするのです。

 そうなれば、痛みも分からなくなりますが、同時に意識もなくなるので眠ったような状態で死を迎えるのです。最後まで意識をもって家族などに接してもらいたいと言った時それができないのです。

 そのため、最後まで意識を失わない方が良いと言う考えと、痛みのことを思えば鎮静剤で眠った方が本人のために良いという考えがあります。

 ツマクマの場合、亡くなる半年前くらいから医療用麻薬を使って痛みを取るようにしました。本人は麻薬なので習慣性になると困ると思ったようですが、医者からまず生活の質を維持するために使いましょうと説得され使うようになりました。

 その後退院してもその医療用麻薬を使って生活の質を保つことができました。特殊な薬なので、調剤薬局の場合わざわざ取り寄せないとおいてないほどでした。

 医療用麻薬はツマクマが亡くなった後病院から返還するよう求められました。ところでツマクマは亡くなる1週間前まで意識がはっきりしていました。治療法がないと言うので退院した時、余命は3月~4月と言われたのですが、7月も生きることができました。

 やはり自宅で自由に生きると免疫力も高まって宣告された余命より長く生きることができたのではと思っています。とくに痛みを薬で抑えることができたのが大きかったと思います。

 また緩和ケアーの担当医がおじさんの古い知り合いであったため医師に絶対の信頼ができました。簡単に言えば安心して医者にかかれたと言うことです。(ツマクマも知っていた人です。)

 最後の1週間緩和ケアーに入院した時部屋に「旅たち」という名のパンフレットが置いてありました。その中には亡くなるまでの経過が時間を追って書かれていました。

 パンフレットによれば、亡くなる1月前にはうつらうつらと寝ることが多いとされていました。ツマクマは全くそんなこともありませんでした。亡くなる3週間前には別荘まで車で行ったし、2週間前にはみんなで焼肉を食べに行ったほどです。

 終末期鎮静に戻りますが、亡くなる1週間前いよいよ痛みがひどくなったので、それまでの医療用麻薬の服用から24時間連続して投与する医療用麻薬に変えました。

 そのため一日中うつらうつらすることが多くなりました。それでも亡くなる4日前何を思ったかにっこり笑いました。そして、訪ねてくれた牧師さんとも一緒に祈ることができました。

 意識が亡くなる直前ににっこり笑ったことは、残されたおじさんたち家族にとって最大の思い出であり喜びでもあります。その時何を思ったのか全く不明ですが、子供が写真にその時の様子を写してくれました。

 その後は寝たきりになって意識は回復しませんでした。それでも痛みを感じず眠ったまま亡くなったので良かったと思います。というわけでおじさんは終末期鎮静をするのに賛成なのです。

 本人が痛みを感じながら意識を保つと言うのは見ている側も辛いです。本人が安らかな気持ちで最後を迎える方が良いと思います。おじさんももちろん死期が近づいたらちゅうちょなく終末期鎮静を行ってもらいたいと思っています。

 今日は重い話で申し訳ありません。今日の夜から大きな寒波が来るようで心配です。明日は大雪との予報もありますが、礼拝の司式なので絶対に教会に行かなければなりません。

 明日からしばらく忙しいのでブログはお休みです。火曜日に再開の予定です。日経先物では大きく値上がりしていますが、来週の相場はどうなるのでしょう。