新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「アジアハイウエーを行く」を見て

 今日も日経平均は大幅下落です。このところ株ネタばかりでしたが、それも飽きたので今日は先日見た「アジアハイウエーを行く」と言う番組を見ての感想を書きます。

 NHKBSの番組です。スポンサーが付かないし、よほど興味のある人しか見ないのでなかなか良くできた番組でした。(みんなが見ると番組批判がきそうだから)視聴率を狙ったりお笑い芸人を使ったりとかないところが良かったです。

 今日見たのはおじさんが以前いた中国をテーマにしていたからです。厳密に言えば韓国もあるのですが、ここでは中国のみについて書きます。

 またこの番組ではおじさんが以前旅行で行った地域が取り上げられていたのもブログで取り上げた理由です。さらに言えば、おじさんが中国に居た時感じたのと同じことをこの番組でも報じていました。

 番組では香港から広州さらに長沙へとハイウエーを進みます。長沙という町は以前おじさんも行ったことがあります。ここは湖南省と言って田園地帯です。

 また湖南省毛沢東の出身地でもあります。巨大な毛沢東像の前に大勢の観光客がいました。日本の人は毛沢東はすでに中国でも忘れられていると思っているでしょう。

 しかし、毛沢東の人気は結構あるのです。毛沢東像の前にいた老人は彼のおかげで自分たちはこんな生活ができるようになったと言っていました。

 高齢者にはこのような意見の人が多いです。また、少年たちが毛沢東像の前で共青団共産党の少年版)の入会式をやっていました。

 中国ではちょっと気の利いた子は皆共青団に入ります。おじさんの一番弟子も共青同に入っていたと言っていました。その入会式に居た子供が「共青団」に入ると就職に有利だからと話していました。

 もう中国ではこんなことを日本のテレビ番組で話してもいい時代なのです。もちろん、そばにいた先生のような人が注意してはいました。

 北朝鮮だったら即座に逮捕されるところでしょう。長沙から岳陽に向かいました。岳陽も実はおじさんは行ったことがあるのです。ここは洞庭湖に面した町で岳陽楼という漢詩にでてくる有名な建物があるのです。

 長沙から岳陽に行く途中ある農村に立ちよりました。そこである老婆と会うのです。かっての中国であれば一人で生活している貧しい老婆の姿なので日本のマスコミに取材させなかったでしょう。

 今はその老婆を取材させてくれるのです。もちろん、その老婆は現政権を批判したりはしません。逆に80才を越えた老婆が毛沢東選集の初版本を取材した人に見せるのです。

 嫌中派の人はやらせとおもうでしょうが、おじさんはそんなことはないと思います。以前書いたこともあるのですが、中国の紅軍を描いた歌や踊りを庶民が心から楽しんでいました。

 その公園は絶対に日本人が来ないようなごく普通の町中にありました。そういえば、以前朱徳元帥の記念公園に行ったことがあります。小雨が降っていたのに大勢見学に来ていました。

 そこは四川省の結構田舎なのです。本当は外国人は朱徳元帥の記念館に入れないのだそうですが、皆と一緒につい見学しました。それは後で知りました。

 日本では中国の共産党は皆から嫌われていて中国の崩壊は近いと言われます。しかし、中国人自身が過去自国の分裂でどれほどみじめな思いをしたのか良く知っています。

 13億の国民と広大な地域、そして多様な民族を統治するのは簡単なことではないと中国人は知っています。それに今は世界中のニュースを中国人は見ています。日本に何百万もの人が来て日本を見ています。

 今は中国共産党が情報を隠せる時代ではありません。もし中国共産党を倒したしても次にどんな政党が中国を統治するのか、また統治できるのか国民は疑問視しています。

 日本で起こった自民党から民主党への政権交代がどのような結末を迎えたのかも中国の中産階級は皆知っています。

 おじさんが思うのは中国の国共内戦は日本の幕末に似ています。幕府が国民党で薩長共産党です。幕府は強大な力を持ちながら結局内部分裂し多くの藩が薩長側に付きました。

 国共内戦でも国民党から共産党に寝返る軍団が多く出たのです。最後に、先述した老婆のところに中国人のボランティアが助けに来ていました。

 ボランティアの人は皆岳陽や長沙で高給取りのサラリーマンなのだそうです。お金は持っているがそれを遊びに使っていたけれど、ある時それに虚しさを感じたそうです。

 それでネットで同士をつのり貧しい人を助けているのだそうです。ある女性はおじさんが中国にいた頃もらっていた給料の倍もらっていました。

 そんな若者がいることも事実です。中国は奥が深いです。日本に居てマスコミ報道を見ているだけでは中国の本当の姿は分かりません。

 また観光でぐるっと見て回っただけでも分かりません。中国人の生活する空間で中国人の見るテレビを見、おんぼろバスで町を行くと初めて見えてきます。

 明日は映画「オデッセイ」を見に行きます。また見た感想を書きます。