新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

映画「オデッセイ」を見てきました。

 今日はまた映画ネタです。ツマクマが病気の間は看護(介護)のため行動が制約されていましたが、去年の7月に亡くなってから、時間的な余裕があるので映画に時々行っています。

 そういえばツマクマの病状がそれほど悪くない時は一緒に映画に行っていました。今日行ったのは「オデッセイ」と言う映画です。以前「海難」を見に行った時予告編を見たのです。

 内容は事故で一人火星に残された宇宙飛行士を救出する話です。一方で火星に残された宇宙飛行士が自らの力で救援が来るまでどう生き延びるかも見どころでした。

 一人取り残される話で古いのはロビンソンクルーソです。おじさんはこの話が大好きで、この本を本屋さんに買いに行った時のことを今でも覚えています。

 かれも自分のすべての知識を使って生き延びるのです。映画では飽きさせないように次々に場面が展開していきます。そう言えば、今日見に行ったのは3Dでした。

 特殊な眼鏡を使ってみるのです。思ったほど立体感はありませんでしたが、迫力は確かにありました。粗筋等については、いつでも分かるので、今回おもしろいと思ったことを書きます。

 一つはさすがにアメリカ映画なので宗教的はシーンがさりげなくあるところです。これは日本の現代を舞台とした映画ではまず見られないことです。

 中国で見たテレビドラマでは宗教的なシーン(米兵が十字を切ったり・イエスの十字架を連想させる)がありました。今回のオデッセイでは、一つはある材料を作るために金属製の十字架を削るのです。

 一瞬ですが、十字架に飾られたイエスの姿が出ます。また、最も緊迫した場面である上司が部下に、君は神を信じているのかと聞きます。

 アメリカ映画では危機にある時しばしばみんなで祈ったりするのです。部下は自分の父はヒンズーで母はバブテストです。どちらに祈ればいいのでしょうと返します。(彼はインド系アメリカ人)

 さりげない会話に宗教が顔をだすところに宗教大国アメリカの姿があります。危機にあって日本で宗教が現れることはまずないと思います。

 もう一つはアメリカの宇宙飛行士を救援するのに力を貸すのが何と中国なのです。日本の映画ではまず考えられないでしょう。

 それもアメリカが依頼するのでなく、中国側から協力を申し出るのです。この映画がアメリカで作られたことを考えるとアメリカの大衆の雰囲気が良く分かります。

 かって007などで中国は明らかに悪しき存在として描かれたものです。今はアメリカの危機に協力する国でありそれができる国として描かれているのです。

 日本では中国の技術は物まねで大したことはないと考えられています。しかし、中国は有人衛星を宇宙に飛ばす力があるのです。もう一つ、宇宙飛行士が救出され、世界中が喜んでいる場面がありました。

 アメリカ・イギリス・そして中国の市民の姿が映し出されました。日本ではないのです。ラストではアメリカのNASAの担当者と中国の宇宙開発担当者が一緒に宇宙船の打ち上げを見る場面です。

 何だか現代の世界情勢を象徴しています。大衆が見る映画だからこそ、大衆が受け入れられように作らなければならないのです。30年前の中国ならアメリカの映画に登場することはなかったでしょう。20年前でもそうです。

 そして現代では中国の科学者とアメリカの科学者が一緒に宇宙開発で協力しているのです。残念ながらNASAの技術者の横に立っているのは日本人でなく中国人なのです。

 明日は日曜日なので教会です。司式をします。