新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

国際政治におけるロシアの復活

 今日は久しぶりの政治ネタです。昨日アメリカとロシアがシリアにおける停戦で合意したと発表されました。実はこのところロシアの支援でシリア政府軍は態勢を立て直しています。

 ISや反政府勢力に対する空爆でシリア政府軍を支援しています。シリア政府軍はロシアの他にクルド人勢力やイランの影響かにある民兵などの力を借りています。

 アメリカはイランと対決をやめ融和することになりました。またIS対策にクルド人勢力を使っています。ロシアは一時ウクライナ問題で世界で孤立しました。

 ヨーロッパ諸国は対ロシア経済制裁を行っていました。おかげで、日本の安倍首相はプーチ大統領との会談ができなくなりました。

 ロシアが力を中東で取り戻したには、他の国のように民間人に配慮せず軍事的効果だけを狙って空爆したからです。孤立無援だったシリア政府はロシアのおかげで立ち直ることができたのです。

 ロシアが力を取り戻したもう一つの理由はアメリカの中東政策で腰が引けていたことに原因があります。オバマ大統領はこれ以上の海外派兵をしたくなかったのです。

 ブッシュ政権が始めたイラク戦争は大きな後遺症をアメリカに残しました。国民もこれ以上中東にかかわりたくないのです。シェルオイルを手に入れたアメリカとしては無理して中東で自分の地位を守る必要がなくなったのです。

 ロシアは逆に孤立から抜け出すために中東への関わりを深めました。地上軍の派遣も考慮している点で他の欧米諸国と腰の入れ方が違います。

 日本もロシアとの首脳会談を考えているようです。安倍政権はかってロシアと北朝鮮を外交の柱にしていました。北朝鮮はご存じのように拉致問題の解決を放棄しました。

 残るはロシアです。すでにアメリカは中東問題解決のためにロシアに協力を求めています。アメリカの態度が変わったのですから今がチャンスとロシアとの関係回復に安倍政権は前のめりになっています。

 ロシアと関係を改善するのは対中国へのけん制の意味もあるのでしょう。アメリカ・日本と西側の大国がロシアにすりよって行っています。

 アベノミックス効果が薄れて来た現在、対ロシア外交で成果を上げたいと安倍政権は思っているでしょう。しかし、ロシアに足元を見られたらおしまいです。

 先の大戦末期にロシアによって不可侵条約を一方的に破棄し、中国東北部に攻め込んで日本人がひどい目に会わされた苦い思い出をすでに忘れてしまったようです。

 どうも北朝鮮の失敗にこりず、次はロシアに接近してまた痛い目に会いそうです。明日は確定申告に行きます。