新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

アメリカ大統領選挙に思うー国民の意識変化

 今アメリカでは大統領候補者を選ぶ予備選挙が行われています。今回の特徴は泡沫候補と思われたトランプ氏とサンダース氏が健闘している点です。

 アメリカの政治状況が明らかに変化していると思います。オバマ大統領が選出された時チェンジを合言葉にしました。そして、8年後それがさらに深化した状態となっているのです。

 トランプ氏とサンダース氏の健闘の最大の理由は現状に不満を持っている人が大勢いるということです。トランプ氏の場合は低学歴の労働者層の支持が多いようです。

 以前プアーホワイトという言葉を聞いたことがありました。貧しい白人のことです。このプアーホワイトの差別意識が一番強いと書かれていました。

 トランプ氏はそのプアーホワイトを支持層としているのです。彼らはトランプ氏の強烈な言葉に酔っているのです。また既成の政治家に対する不満も大きいようです。

 これはサンダース氏にも共通します。サンダース氏の方がトランプ氏よりより興味深いところがあります。彼がアメリカでは禁句に近い社会主義という言葉を使っていることです。

 もう一つは若者に絶大な支持があることです。昨日のNHKのクローズアップ現代でも言っていましたが、冷戦終結後に生まれたアメリカの若い世代には社会主義に対する抵抗感がないようです。

 今のアメリカは新自由主義に覆われています。そもそも新自由主義社会主義的な政策に反対する立場から登場したものです。政府の介入をできるだけ少なくして民間に任せる、自由な競争を活発化させると言うものです。

 修正資本主義とまで言われた政府による企業への規制や手厚い社会保障に反対して出てきたのが新自由主義です。日本では小泉さんあたりから始まりました。

 行き過ぎた新自由主義は格差をもたらしました。下流老人とか子供の貧困とかは日本だけでなくアメリカでもあると思います。

 若者は高い大学ローンや就職できない現状からサンダース氏の社会主義的政策に魅力を感じているのでしょう。選挙結果は水ものなので誰が大統領候補になるのか不明です。

 以前オバマ氏とクリントン氏が争った時おじさんはクリントン氏が勝つと思ったのです。しかし結果はご存じの通りです。

 もしトランプ氏とサンダース氏が大統領候補になったら、たとえどちらが大統領になってもアメリカの政治に大きな問題を残すでしょう。

 トランプ氏の場合共和党議員の間でも支持は少ないです。それに彼の経済政策や外交政策は全く不明です。各国はトランプ氏の政治に不安を持つでしょう。

 サンダース氏の場合、間違いなく議会で多数派を占める共和党との間で摩擦が起こるでしょう。摩擦を避けようとすると自分のカラーが打ち出せないので支持層は幻滅するでしょう。

 おじさんとしてはクリントン氏が大統領候補になってほしいと思っています。明日は教会資料の作成をします。