新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

2つの補欠選挙から見えるもの

 昨日京都と北海道で衆議院議員補欠選挙がありました。結果はなかなか興味深いものでした。おじさんのブログでは久しぶりの政治ネタです。

 京都の結果については、橋下さんが以前率いていた大阪維新の会のメッキが完全にはげ落ちた感じです。大阪維新の会は結局橋下さんの毒舌だけで支えられていたようなものです。

 個人のカリスマで成立する政党はカリスマがいなくなればその存立基盤を失います。かってネット右翼の絶大な支持を集めた某元空幕長はお粗末な選挙違反事件で逮捕されました。

 都知事選では数十万票の支持を集めたのですが、結局警察に逮捕されると言うお粗末な結果で終わったのです。橋下さんもタレントとして売り出し、住民投票で敗れて辞任しました。

 次の衆議院選挙で立候補するとのうわさもありますが、衆参同時選挙がなくなった現在、次の選挙は来年になるでしょう。

 その頃すでに橋下さんは忘れられた人になっていると思います。北海道の選挙はもっと象徴的です。マスコミによっては野党候補が敗れたので野党共闘は無駄であったと報じています。

 選挙は結果オーライですが、変化は目に見えないところに現れます。この選挙はこれまでであったら、開票が始まってすぐ与党候補に当確が出て良かった選挙です。

 議員が亡くなった後身内が出た場合、補欠選挙としては圧倒的に与党が有利です。そもそも負ける理由がないのです。日本人の心理として弔い合戦は一番燃えます。

 それに今回亡くなった議員は自民党でも大物政治家です。安倍内閣の支持率は他の野党が束になってもかなわないほど高いし、自公の支持率を合わせれば野党を圧倒します。

 一強5弱とも言われる政治状況なのに、その差わずか12000票です。今回は熊本地震が影響しています。大災害があると心理的に与党に投票が集まります。

 また地方政党の「大地」が自民党に寝返ったこともあります。この二つの要素で7000票くらいは動いたでしょう。この二つの要素がなければ、自民党は負けていたかもしれません。

 それは素人のおじさんでさえ分かるくらいですから、安倍さんの懐刀の菅さんでも分かるはずです。アベノミックスが不評であること、格差問題が大きいこと、TPPに関して農民が不安をもっていることなどが、今回の北海道補欠選挙自民党が圧勝しなかった理由でしょう。

 支持率とは別にすでに安倍政権が国民に飽きられていることは明確です。こののち安倍政権が長期化することを国民は望んでいません。その証拠に今回で野党候補に無党派層の支持が回っています。

 保守地盤の弱いところで無党派層が野党支持に回ると、結構選挙結果に大きな影響がでます。野党共闘がなかったら、今回の北海道での選挙は与党の圧勝だったでしょう。

 開票が始まった瞬間に当確が出たはずです。その意味で敗れはしましたが、野党共闘は一定の成果を出したと思います。アメリカ民主党候補のサンダース議員が新自由主義ならぬ新社会主義を打ち出して相当の支持を得ています。

 社会主義が蛇蝎のごとく嫌われるアメリカで堂々と「社会主義」を名乗って支持を得ているのです。日本でも民進党が反新自由主義を打ち出し、格差是正・富の再配分を打ち出す政策を示したら、案外大きな流れになるかもしれません。

 明日は授業です。