新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国の大学の先生のお手伝いー修士論文添削

 昨日恒例の添削依頼が来ました。毎年、卒業論文修士論文の添削依頼が中国の先生から来るのです。おじさんが勤務していた大学の先生です。

 日本に帰ってから4年たちますが、まだまだ縁があります。依頼してくる先生は本来翻訳が専門で修士論文のようなものは得意ではないのです。

 以前書いたことのある先生です。そう言えば肩書きが以前副教授だったのが、教授になっていました。多分来年くらい定年です。今はどうか知りませんがおじさんがいた頃は女性は55才で定年でした。

 この先生の旦那は市の共産党の幹部なのだそうです。ご自分はフォルクスワーゲンを運転し、旦那はお抱え運転手がいるようです。

 おじさんがいた頃、旦那が共産党の幹部なので、何を告げ口されるか分からないので学部の先生たちは皆敬遠して距離を置いていました。学部にはもう一人こちらは大学の事務局長クラスの旦那を持つ女性がいました。

 こちらを張マダム、依頼をしてきた方をサンマダムと呼んでいました。いつでもこの二人はおしゃれな格好をしていまた。

 さて今回依頼されたのは翻訳理論に関するものです。題名を聞いただけで、読者のみなさんはうんざりすると思います。修士論文の題名は「囲城ー日訳本における文化負載詞の翻訳策略」ニューマーク翻訳理論による分析です。

 なんのこっちゃと言う感じです。「文化負載詞」などと言う日本語はありません。ただ漢字はそれぞれ意味をもっているので、それをつなぎ合わせると意味が何となく分かります。

 ある国の文化を担う言葉くらいの意味です。以前同僚だった先生から翻訳した本の注についてアドバイスを求められました。それは、日本でしか通用しない言葉です。

 例として「演歌の花道」などがあります。これは、あるテレビ番組で、辞書で単語を引いても意味は分かりません。「ABC」について聞かれました。

 年配の方ならこれが単なるアルファベットではなく、性的な意味をもつことはご存じでしょう。ある言葉には、文化に裏付けられた隠された意味があるのです。

 この場合の「ABC]などが文化負載語と言えます。翻訳する場合、文化負載語をどう翻訳するかは大きな問題です。それについて、学生さんは中国小説「囲城」を使って明らかにしようとしているのです。

 この小説を日本語に翻訳する過程で、隠された意味を持つ中国語をどう日本語に翻訳したのかを分析しています。以前から何度も翻訳理論に関する論文を読んだので何となく学生さんの言いたいことは分かります。

 内容の指導は無理なので、日本語として不十分なところを中心に添削しています。良い論文は専門以外の人が読んでも分かるものなのです。

 この学生さんは自分で欧米の論文などを訳して自分の論文に使っています。ただ、自分で訳したので訳語が日本語にないものもあります。

 何とか半分読みました。残りはこれからです。明日はポステイングなので、今その準備をしています。510枚配布します。