新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

この違い分かります。-費・代・料・金

 今日は授業の日です。今は日本語能力検定試験のN3レベルをやっています。N3と言うのは日本語3級と言ったところです。内容は中学生くらいの日本語です。

 N2になると高校生レベルです。検定試験の問題は微妙に受験生を迷わすようになっています。明日からN2をやるのですが、問題を見ていたら「腹がいたい」とあって選択肢に「おなか」と「はら」とあるのです。

 どちらも使うので迷うところですが正解は「はら」です。日本人は母語である日本語を無意識に使っているので、どこに違いがあるのかということを意識しません。

 自然に言葉が出てくるのです。外国人が日本語を習得する場合、一つ一つ類似する言葉の違いを説明しなければなりません。

 これは以前に書いたことがあります。今日も「費・代・料・金」の違いについて考えさせられました。生まれてから、大人になるまでの間に人は何らかの言語を習得します。

 専門的に言えば言語習得過程が必ずあります。言語を習得するのは、一つは親や周りの人のまねをしたり、本やテレビを通して単語や表現を覚えます。

 また、間違った表現をすると注意されるので、訂正します。言語は場面の中で使われるのです。単語帳を作って覚えるものではありません。

 ですから、何となく覚えてしまったというものが多いです。ただ正語意識というものがあって、使い方が間違っていることはすぐ分かりますが、なぜ間違っているのかは分からないことが多いです。

 おじさんも日本語教師養成講座で勉強しているうちにそのことに気がつきました。今回の場合でいえば、学費という日本語はあっても、学代とか学料という言葉はありません。

 問題は生活費の費を見つけるものでした。学費に関する書類には同時に授業料という言葉があります。授業費と言う言葉はありません。また、本代はあっても本費とか本料とかはありません。

 入学金はあるのに、入学代はありません。おじさんが考えたのは費というのは、包括的に使われるお金についてではないかということです。生活費なら、生活に使うさまざまなお金全体を指します。

 食費でもお米代やおかず代などいろいろあります。次に代ですが、こちらは何かのものとお金を交換する場合に使うのではと思いました。米代は米とお金を交換する。紙代も紙とお金を交換です。授業代とか手術代というのは何か変です。

 料というのは、行為についてお金を払う場合ではないかと思ったのです。授業というのはものではなく行為です、また手術も同様です。この場合授業料・手術料となるのでは思いました。本料とかお菓子料は違和感があります。ところで、法律では過料というのがあります。

 もう一つ同音異語の科料というのもあります。区別するために過料は「あやまちりょう」、科料は「とがりょう」と言います。これも何かの過ちを犯した時払うお金です。まさに行為の対象について支払う場合が「料」であることを示したいます。

 金については入学金とか一時金のように、1回だけに使われる支払いの場合のような気がします。賞金も何かの出来事があって、その時に支払われるものという気がするのです。受験料はあっても入学料はちょっと違和感があるのは、入学は1回ですが、受験は複数可能だからでしょう。

 本当は全ての言葉についてその差異があるのでしょうが、おじさんは国語教師を38年やりましたが、日本語教師はまだ4年目なので、自分なりに理解しながらやっています。

 相手が充分日本語を使いこなせないので、どの日本語を使ったら分かるのか困っています。とにかく、がむしゃらにやっています。

 来年は結構ですと言われるかもしれませんが、その時はその時です。明日も授業があります。