日本で宗教は消滅するのか
今日は日曜日なので教会でした。礼拝が終わった後、恒例の壮年会です。教会には青年会・壮年会・婦人会とあります。圧倒的に数が多いのは婦人会です。
その壮年会の中である方が自分は今日新聞で日本の宗教が消滅するということについて書かれた本を見たと発言されました。
しばらくその話題で盛り上がりました。そういえば、そんな本を本屋さんで見たような気もします。確かにどの宗派も会員数が激減して危機的な状況にあります。
最大の理由は地方の高齢化です。都市に人口が集中していますが、大部分の宗派は地方で持っています。都市人口が増えても、宗教に関心を持つ人は少ないでしょう。
宗教は習俗的なところがあります。習俗とは風俗習慣のことです。仏教を信じていなくても、習慣としてお盆にはお墓参りに行くとか、年始には神社にに行くとかです。
日本の習俗には役割分担があって、その役割をそれぞれの宗教が担っていました。例えばお葬式は普通仏教でやります。神社やキリスト教の教会でやる人は少ないでしょう。
また、結婚式は以前は神式でしたが、今はキリスト教式が多いです。さりとてお寺で結婚式をする人はまだ少ないです。
この役割分担が崩壊しつつあるのです。日本の場合仏教が最大宗派ですが、その収入源のお葬式をしない人が増えています。死後の世界を信じない人が増えているのですから、後世を弔う気持ちも薄れたのでしょう。
生のみが尊ばれる世界では死は生の終わりとしかとらえられないのでしょう。生の終わりなら、それですべてが終わることになります。最近流行の「終活」と言う言葉もそれをよく表しています。
また、宗教は代々つながっていくものです。誰かが誰かを偲ばなければそれで終わりです。無縁仏という言葉があるように、縁がなくなれば、それで終わりです。
今のように生涯独身で兄弟もいないか疎遠なら、後の世を偲んでくれる人もいないでしょう。お葬式がそんな調子ならお葬式に関連する諸行事(法要や納骨など)で生計を立てているお寺は経済が厳しくなります。
地方では僧侶のいない無住のお寺が増えているそうです。お寺は建物が大きいので維持管理に膨大なお金がかかります。もちろん、神社も同様です。お寺以上に定期的な収入がないので、維持管理は難しいです。
特にお寺同様地方の小さな神社は過疎によって朽ち果てていくでしょう。教会も同様でお寺ほど地方にないのでまだよいのですが、ある程度の規模の町でなければ維持が難しいです。
地方ではすでに無牧(牧師がいない)の教会が結構あって、兼牧(別の教会の牧師が掛け持ちする)の教会も多いです。会員が少ないと謝儀(牧師の給料)を払えないのです。
やはりオウム真理教の影響だと思います。また数年前まで宗教集団の犯罪が話題になったことも影響していると思います。宗教は怪しいものだと言う考えが若者の間にあると思います。
おじさんたち団塊の世代までは、親のお葬式とか法事という考えがありますが、これからは難しいでしょう。結婚せず、今の代で終わる家も出てくると思います。まわりにもそんな家庭があります。
教会とて会員が少なくなれば、教会墓地を維持できなくなるかもしれません。日本の未来は死後の世界に至るまで暗いようです。
明日はのんびり過ごします。映画に行くかもしれません。