新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

今回の参議院選挙についてー真理は些事に宿る又は変化は辺境から

 今回の参議院選挙も終わりました。予想通り自公の圧勝です。ここまではどのマスコミも取り上げています。しかし、おじさんは今回の選挙で意外なことが起こっていることに注目したいです。

 話は飛びますが、経済雑誌に社長がインタビューを受けると企業業績は落ち目になると言います。かっての東芝もシャープも野村ホールディングスもそうです。

 それはインタビューを受けるのは一番業績がピークの時だからです。大体においてピークの直後くらいから変化が現れます。

 政治の世界もそうです。郵政選挙と言われた時小泉政権は恐ろしいほど勝利しました。まさかそれから何年か後に政権から滑り落ちるなど誰も想像しませんでした。

 もちろん民主党の大勝利もそうです。あっけなく政権が崩壊しました。一強を誇る安倍政権も第一次安倍内閣の醜態を見て安倍さんが復活すると思った人は誰もいなかったでしょう。

 まず真理は些事に宿るについてです。人の目は大きな面に目が行くのです。今回であれば、自公を中心とする改憲勢力の圧倒的な勝利です。そのことばかりがマスコミでも取り上げられます。

 あるサイトに負けた民進党岡田代表の表情がそれほど暗くなかったとあります。一つは民進党の凋落に一定の歯止めがかかったからです。

 もう一つはいろいろ評価はありますが野党共闘が一定の成果を出したからです。東北では一県を除いて軒並み野党共闘の候補が勝ちました。また、大都市では自民が強いと言われますが、東京では連坊さんの人気もあって、当選者の得票合計では自民党民進党が上回っています。これは最近の選挙ではなかったことです。

 この得票結果を見ると、もし連坊さんが都知事選に出て居たら小池さんでも増田さんでも簡単に破っていたでしょう。ただ、都知事になっても都議会が今の現状ではどうにもなりません。それを考えて連坊さんは参議院選に出たのでしょう。

 変化は東京などの大都市圏でなく地方でも起きているのです。幕末を考えても地理的には江戸からはるか離れた鹿児島や山口で変化が起こりました。そういえば保守の牙城のような鹿児島県で知事に現職でなく、原発反対の元マスコミ関係者が当選しました。

 討幕の中心の薩長土肥と言われる4藩は鹿児島・山口・高知・佐賀です。どう考えてもはるか江戸から皆離れています。この4藩が250年続いた江戸幕府をひっくり返したのです。

 明治維新の50年前には考えられなかったことです。些事といえば、一強とも言われる自公政権で現職大臣が2人も落選していることです。

 かっての選挙であればあり得ないことです。官邸政治とまで言われるほどで、各大臣の価値が落ちたものです。大臣になれば当選確実と言われたものです。

 負け戦で現職大臣が落選するなら分かるのですが大勝しているのにです。今回の大勝はどこかちぐはぐなところがあります。自公は野党共闘を非難しましたが、戦術的に言えばバラバラな野党であったらもっと議席を落としていたでしょう。

 小選挙区に近い一県一人の選挙区では基礎票では自公にかなわないでしょう。以前は参議院選の地方区は与党の完全勝利に近かったです。それが今回の議席獲得に至ったのは野党共闘のおかげです。

 国民はもう少しアベノミックスの結果を見ようと思ったと思います。逆に言えば今アベノミックスに急ブレーキをかければひどいことになると思っているのでしょう。

 しかし、この先アベノミックスの効果がでなければ、今度は自公にしっぺ返しが来ます。岡田さんの心の中にはそれがあったと思います。

 明日は授業です。