新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

歴史は振り子のように動く

 昨日は次女の家のお手伝いに行ってきました。次女は勤めているので、仕事で遅くなる時はお手伝いに行っているのです。

  昨日はアメリカの大統領候補に共和党ではトランプ氏が選ばれました。これまでの共和党はグローバル経済を押し進めてきたし、自由主義がモットーでした。

 ところが、トランプ氏はこれと反対です。また移民を積極的にアメリカは受け入れてきたのにこれも反対しています。

 1990年代からはグローバル経済が主流でした。また、日本では小泉さんに代表されるように新自由主義経済が主流でした。

 小泉さんの流は公から民へでした。社会主義は民から公へです。産業革命後余りに民の力が強くなりました。その反動として民から公の社会主義が登場したのです。事実中国では国土は全て国のもので民間はその使用権を借りているだけです。

 ところが、安倍さんは民から公へです。そもそも政府が企業に賃上げを要求するなど小泉さんの新自由主義からは考えられないことです。

 アメリカでもサンダース氏に代表されるように社会主義的な政策が一定の承認を得ています。イギリスはEUから離脱することを選択しました。

  ソ連の崩壊後の流れとは逆流しているようです。トルコでのクーデター未遂事件も世俗化から宗教化へのながれを加速させているようです。

 政教分離現代社会では当然のことなのですが、中東諸国では政教一体へと進んでいます。その最たるものがISのような極端な勢力です。

 EUが成立したころは分離から統合へでした。また政教分離は当然のことでした。それが今ではすっかり様変わりしました。

 統合から分離への動きが加速しています。EUから離脱することを選択したイギリスでは今度はイギリスからスコットランドが分離する可能性があります。

 公から民、またナショナリズムからグローバリズムへの動きも振り子が反対方向へ進んでいます。戦前の日本でも大正デモクラシーと言われた自由な雰囲気の後急速に体制の締め付けが強化され最後は敗戦へと進みました。

 自民党改憲案では国民は国家へ奉仕すべきだという考えで貫かれています。国民あっての国家でなく、国家あっての国民なのです。

 国家は国民なしには成立しませんが、国民は国家なしに成立します。国民というより民族と言ってよいでしょう。ユダヤ人は2000年近い無国家状態から国家を作りました。

 クルド人もいつか国家を作るでしょう。今は逆流の時代です。一つの時代の流れが進みすぎると必ず逆流が起こります。

 しかし、長期的に見て流れを変えることはできません。アベノミックスも規制緩和をうたっていますが、政府が企業に賃上げを要求するような公から民の政策を取るかぎり、規制緩和など不可能でしょう。

 アメリカの大統領選挙の結果次第で世界は大きく変化するでしょう。明日は教会です。