外国語学習で必要なことー日本語教育の視点から
このところ経済ネタが多いので久しぶりに教育ネタです。おじさんは子供の頃から英語が苦手で受験の時は相当苦労しました。
それでも、必死で単語と文法を覚えて何とかこなしました。苦手は発音と英作文でした。読解と文法はそこそこできるようになりました。
英単語は3000語は覚えたと思います。ただ英作文に必要は必須文型がなかなか覚えられませんでした。発音記号は全然で、発音はほとんどローマ字読みでした。
ですから、日本語学習の場合、いかに漢字を多く読み・書き・意味を知るかにかかっています。日本語から漢字を除いたら、内容はすっからかんになってしまいます。
ところが、非漢字圏の日本語学習者にとって漢字学習は極めて困難なのです。とは言え世界で漢字圏なのは、日本・中国・韓国・台湾・シンガポールくらいです。
どこの言語でもまず単語をどれだけ覚えるかが外国語学習のかぎになります。日本語検定試験でも語彙分野が必ずでます。ところが、単語を覚えても使ってみなければ意味がありません。
外国語学習には、まず覚えた単語で簡単な文章をいくつも作ってみる必要があります。おじさんの教え子の学生さんはそれが面倒なのでいやがります。
自分で覚えた単語を使って文章を作る際、声に出して読む必要があります。これもおじさんの教え子はいやがります。日本語を発音したがらないのです。
中国にいたとき、中国人の大学生は皆大きな声で英文を読んでいました。空き教室や校庭などです。最初は驚きましたが、外国語学習にはこれが一番です。
また単語を覚えるためには、もし外国にいるなら目に見えるすべての意味を考えてみる、また発音してみてそれが正しいか母語話者に聞いてもらうのです。もし、日本にいて外国語を学んでいるなら、目に見えるものをすべて、学習中の言語に置き換えてみて発音してみるのです。
次に、重要な構文を覚えることです。そのためにも、覚えた構文を使った文章を沢山作ってみることです。また、間違っていないか母語話者に見てもらうことです。
これも外国語学習ではダメなことです。よく海外に留学した日本人学生が日本人とばかり付き合っているので英語がうまくならないと言われました。
母語が通じない国ではどんどんその国の言葉を話さなければなりません。一番いいのは先生にどんどん質問することです。
外国語を学ぶために外国に行っていい点は、全てその国の言葉に覆われていることです。おじさんは中国語は勉強しませんでしたが、中国のテレビドラマの漢字テロップを見ながら、今あの部分を発音しているのだと理解できました。
ドラマの場合、場面が分かるので翻訳された母語と画面の外国語を交互に見比べながら勉強すると現実の会話が良く分かります。
日本語の場合はそれほどでもありませんが、他の外国語の場合アクセントやイントネーションが間違っていると発音がほぼできても通じません。
発音だけでなくアクセントやイントネーションに気をつける必要があります。最後に外国語学習はやはり一種の才能のようなものが必要です。よく曲を一度聞いただけで歌えたりする人がいます。
また音痴といわれるように、耳で聞いた音を正確に再現できない人がいます。また、微妙な音の違いを聞き取れない人がいます。こんな人は外国語学習に極めて不利です。
かく言うおじさんがそれで、聞いた音を正確に再現できないし、微妙な音の違いを聞き分けられないのです。ですから、外国語を読んだり書いたりはできるのですが、会話は絶望的です。
中国の場合は、古典中国語の方が現代中国語より良く分かります。日本語でも古典語と現代語は全く違います。語彙だけでなく文法も異なるのは高校の国語の現代国語と古文の違いでおわかりでしょう。
おじさんは国語教師なので漢文はしっかり読めます。もちろん意味も分かります。ですから観光地に行って昔のことが書かれてあると完全に理解できるのです。
逆に簡略体で書かれた現代中国語の文章の方が読みにくいのです。ある観光地でそれをやっていたら、近くに居た中国人が不思議そうな顔をしていました。
もし、万葉集の歌碑のまえで中国人が読みながら感動しているのを日本人が見たらびっくりするでしょう。そんな感じでした。明日は日曜日なので教会です。