新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

天皇陛下の「お気持ち」発言について

 昨日天皇陛下による、現在の心境についての「お気持ち」発言がありました。なかなか良く考えられた内容であったと思います。

 おじさんはこれは第二の人間宣言であると思っています。最初の人間宣言は先の昭和天皇が敗戦前神格化された天皇の地位に対して人間であることを宣言したものです。

 現人神として神格化されていたのですが、この人間宣言から国民と親しく交わることができるようになりました。そして、全国を回って敗戦で困難に直面している人々をはげましたのです。

 おじさんの町にも天皇陛下が来られました。車の窓から帽子を振っておられたのをわずかに覚えています。さて、今回の「お気持ち」発言は今上陛下も人間であり、老いを迎えたことを国民に訴えたかったのだと思います。

 人間であれば皆老います。老いれば体力も知力も気力も衰えます。今までと同じようにはできません。普通の生活であれば、引退します。運転免許であれば返納を考えます。

 責任を感じれば感じるほどいいかげんなことはできないでしょう。名ばかりで実際には何もしないでその地位にとどまることは天皇陛下の心が許さないのでしょう。

 生前退位の話が出た頃から、一部保守陣営では摂政を置けば済む問題だと言う意見が出ました。今回の「お気持ち」発言では摂政を置けば解決する問題でないとありました。

 ここまで天皇陛下が踏み込まれた発言をなさるとは思いませんでした。今発言しておかなければ、この先自分が弱った時急に言い出してもどうにもならないと思われたからでしょう。

 ご発言の与党・野党の代者の発言がありましたが、皆何とかしなければと言う点では一致していました。ところが、生前退位と言ってもなかなか難し問題があります

 一つは皇室典範の改正で行くのか特別法でいくのかです。皇室典範の改正となるとすぐには難しいでしょう。おじさんとしては、生前退位を急ぐのなら特別法がいいと思います。

 取りあえず今回の件を片づけて次はゆっくり考えるというものです。ただ、生前退位となれば、即位をどうするかがまず問題になります。次は今の皇太子殿下の後任です。

 皇太子殿下には息子さんがいないので、皇位継承第2位は弟の秋篠宮殿下ということになります。この場合現皇室典範では子供ではないので皇太子とはならないのです。

 皇太弟とするのか、皇太子とみなすのか、まず呼称が問題になります。退位された今上天皇をどう呼ぶかも新しい問題です。

 住まいをどうするのかもあります。今上天皇と現皇太子殿下が宮中に住まわれて、秋篠宮殿下が東宮御所に入られるのかなどです。

 今回が前例となって、現皇太子殿下が新天皇になられた後再度同様の生前退位があるのかなどです。今政府与党も余り本格的に将来の皇室制度について触れたくはないと思います。

 安倍首相にとって憲法改正をいう大きなテーマの前に、皇室問題で政界が揺れ動くのは望んでないでしょう。生前退位の問題は、国家の象徴の問題ですから、特別法制定にしても全会一致で可決したいところです。

 この問題で与野党が議論することだけでは避けたいところでしょう。そうなると対決法案の後にこの問題を提出するわけにいかないので、どのタイミングで上程するか難しいところです。

 ただ国民のほとんどが生前退位に賛成なのですから、進めようと思えば結構早く可決できると思います。平成30年をめどに何とか生前退位が実現すると良いと思います。

 明日はポステイングの準備です。