新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

シルクロードツアー報告3-緊張する新疆ウイグル自治区

 今日は教会の仕事に次週の教会学校説教造りと忙しかったです。明日は友人のミヤジイと会うし水曜日から金曜日まではポステイングの仕事があるので、今週は今日と土曜日しか空いていないのです。

 さて連続して書いているシルクロードツアーの報告です。観光ガイドでは分からない現地の情勢を報告しています。西安から敦煌へと旅を進めいよいよ新疆ウイグル自治区へ入ることになりました。

 ちなみに西安陝西省敦煌甘粛省です。敦煌からは新幹線でトルファンへ向かいました。トルファンからが新疆ウイグル自治区です。新疆ウイグル自治区の警戒の厳しさについては添乗員さんから聞いていましたが、事実相当なものでした。

 始まりはトルファンへ向かう新幹線の駅からです。敦煌からバスで2時間近く離れた柳園南駅からの出発です。この駅は寂れた町はずれにあります。

 路線の関係でこんなところに駅ができたのです。駅の入り口に来て驚きました。銃を下げた武装警察の警官がいたのです。ヨーロッパやアメリカの空港なら銃を持った警官は普通です。

 日本でも空港の警察官は銃を携帯しています。ところが中国では中国の玄関口ともいえる上海空港の警官でも警棒だけです。おじさんの町の空港も同じです。西安の空港の警官も警棒だけです。

 中国の警官は基本丸腰です。おじさんの町でも滞在して3年目くらいから銃を携帯するようになりました。それでも携帯しているのが分からないようにしていたのです。

 ところが柳園南駅の警官は自動拳銃をどうどうぶら下げていたのです。明らかに銃を持っていることを見せつけるかのようです。

 トルファンはそれほどでもありませんでしたが、ウルムチは警察車両が沢山出て居ました。ウルムチ空港では入り口に自動小銃を構えた兵士がいました。これには驚きました。空港どころかおじさんが3年間いた間でもマシンガンを持った警官に一度しか会ったことがなかったからです。

 空港での検査では靴を脱ぐだけでなくズボンのベルトもはずし足の裏まで検査されました。町の警備の厳重さも桁外れです。何と公園の入り口でも荷物検査があり、出入り口は公園の3か所しかないのです。

 それ以上に驚いたのはホテルの入り口でも荷物検査がありました。ホテルはお客様第一なのですが、X線を使った検査があるのです。

 ガイドさんから中国人とウイグル人との結婚はほとんどないと聞きました。生活習慣や文化の違いが大きすぎるのだそうです。確かにそうだと思います。

 学校も中国人の学校とウイグル人の学校に分かれているのだそうです。もちろんどちらの学校に行ってもいいのですが、ウイグル人が中国人の学校にくると文化の違いで相当苦労するそうです。

 ウルムチでみた肉体労働者や清掃担当者はほとんどウイグル人でした。また若者がお土産をバスまで売りに来ていました。仕事がないのだと思います。

 中国の大学を出て、中国の生活習慣を身につけなければ豊かな暮らしはむつかしいでしょう。そうなれば、ウイグル人社会から出なければなりません。

 ただ行政経験も経済運営の経験もないウイグル人が独立しても国を運営するのは難しいでしょう。それに大勢いる中国人は生活の基盤がウイグル自治区にあります。ウイグル人が独立した時この中国人がどうするか難しいです。

 またウイグル人が独立すれば広大な国土を失います。一つの島を巡って戦争するかも知らない時代、これほど広大な領土を中国が手放すとも思えません。それにトルファン郊外では石油が採掘されていました。その他の鉱物資源もあります。これをすべて失うわけにも中国はいかないでしょう。

 そんなことを思うと日本人が考えるほどウイグル人の独立は簡単ではなさそうです。明日は友人のミヤジイと会います。