新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

北朝鮮問題解決の難しさー僥倖に頼るしかない

 今日また北朝鮮が核実験を行ったようです。もちろん日本を含む国連各国は非難をしています。北朝鮮崩壊論が主張されて久しいです。

 初代の金日成氏が亡くなった直後にも崩壊論が出たし、金正日氏が亡くなった時も出ました。今も崩壊論が引き続き報じられていますが、一向に崩壊する兆しはありません。

 イラクの場合アメリカが直接武力攻撃をしてフセイン体制を崩壊させました。その結果どうなったかは今の中東情勢を見れば明らかです。

 外部勢力による強引が国家体制の破壊は良い結果を生みません。先の大戦で敗北し国家体制が崩壊したドイツや日本の場合、崩壊した国家体制に代わる勢力があったのです。

 日本の場合でも、大戦前には政党政治が機能し、大正デモクラシーとまで呼ばれました。またドイツでもワイマール共和国体制があったのです。

 今北朝鮮アメリカや韓国が攻撃して破壊しても混乱が大きくなるだけでしょう。間違いなく国家崩壊にともなう
難民が生じるでしょう。

 一部は中国に、大多数は雪崩を打って韓国に逃げ込むはずです。日本にも一部が難民として押し寄せるでしょう。また、金正恩氏を倒してもそれに代わる政治勢力がありません。

 脱北者による亡命政権もできそうにありません。金正恩氏が一番警戒しているのは軍によるクーデターでしょう。以前いた軍のロシア留学派や中国シンパは全て粛清しているはずです。

 強硬手段を取ることが難しいのです。中国も心の中では苦々しく思いながら、北朝鮮崩壊は願っていないと思います。

 北朝鮮が崩壊して韓国に併合されれば、すぐ国境を接して韓国が来ます。北朝鮮の緩衝地帯としての役割がなくなります。中国はそうなれば、今の何倍もの軍隊を駐留させなければなりません。今なら国境警備の兵士くらいですみます。

 また、北朝鮮が核装備しても中国に向かって使うはずはありません。その安心感もあります。韓国にしても、もし北朝鮮の現体制を崩壊させても、朝鮮半島で混乱が起きるだけです。

 北朝鮮が崩壊したら、難民問題や復興経費、国境を接するようになる中国との関係など問題が山積みです。もし北朝鮮が攻撃を仕掛けるなら、韓国も容赦なく反撃して現体制を崩壊するところまで行くでしょう。

 北朝鮮もそこのところは分かっているので、うかつに韓国に本格的な攻撃を仕掛けることはないと思います。さらに中国同様地続きの韓国に先制の核攻撃を仕掛ける可能性も低いです。

 そんなことをすれば、大量の放射能が自国に降りかかってくるからです。また放射能で汚染された韓国を占領することもできません。

 北朝鮮核武装の狙いはアメリカに攻撃されないことと、核武装をネタにアメリカと平和条約締結を目指すことでしょう。

 今北朝鮮をめぐっては、3すくみの状態です。中国もアメリカも韓国も動きがとれなといういのです。それを見越して北朝鮮も強気に出ています。残念ながら日本ができることはほとんどありません。

 単独で北朝鮮を攻めるわけにもいきません。経済制裁にも限界があります。どうすればいいのについて妙案はありません。

 3すくみのどこか一つでもバランスが崩れたら全面衝突になります。今経済的に厳しい状況にある中国や韓国が動く可能性はありません。いざ衝突となったら国内経済は大変なことになるからです。アメリカも北朝鮮を攻撃するようなリスクは取らないでしょう。

 北朝鮮がもしバランスを崩すような挙に出たら一気に体制崩壊へ進みます。北朝鮮もそこは心得ていて、慎重に行動しているはずです。

 このままずるずる今の情勢が続くと思われます。一つ変化の可能性があるとしたら、金正恩氏が急死することです。病死でなければなりません。そうなれば今後継者がいないので、軍を中心として集団指導体制になるでしょう。

 または金正男氏や別の金一族の人が来国して指導者になるかもしれません。まあそんな僥倖はないでしょうから、国際社会はいらいらしながら北朝鮮を見守るしかないと思います。

 明日は地元の歴史の講演会を聞きに行きます。