行政の無謬性ー豊洲問題から
今日の株式相場は日経平均30円ちょい安で引けました。このところ連日上げていたので、一服と言ったところです。日経平均は下げましたが、おじさんの持ち株は結構値上がりしました。
とろで今日はこのところ連日ワイドショーで取り上げられている豊洲問題です。今日も議事録を改変したのではないのかと言う疑惑が出ています。
設計会社が盛り土からの変更を提案したことになっていますが、相手先である都の側から何の指示もないのに一企業がこんな大変なことを提案するはずはありません。
行政側が間違いを認めたくないのでこんなことになっているのでしょう。20年くらい前だったと思いますが、おじさんは某私立大学法学部の夜間の聴講生になりました。
当時勤務したいた高校で法学部の小論文指導をする必要がありました。国立大学によっては結構専門的な法学知識がないと解答できないものがあったからです。
法学的なものの考え方を知っていたら、国語的な小論文でなく法学的な視点からの小論文が書けると思ったからです。何法を学ぼうかと思いました。
一番許せないと言っていたのが、行政の無謬性です。簡単に言えば行政がすることは間違いないという立場で始めるという行政法の考え方です。
事実行政行為の際たる警察の場合、皆まず警察官の指示を間違いがないと思って従っています。逆に警察の場合、間違いがないことを前提にやっているので間違いがあった場合、簡単にそれを認めません。
これは警察だけではありません。すべての役所がそうです。おじさんもある時、生徒がかかわる問題で知事部局のある部署と交渉したことがあります。
厳密には交渉の場に出席したということです。生徒の証言とその部署の対応が大きく異なっているのです。おじさんの関連する生徒だけでなく、県内の多くの生徒も同じ証言をしたのですが、頑として事実を認めません。
認めると面倒なことになるからです。ついおじさんは、これだけ広範囲の何の関係もない生徒同士が口裏を合わすことは不可能でしょう。それなのに皆同じ証言をしています。
合理的に考えるなら、おたくの部署が間違っていると考えるべきですと言ったのですが、全く応じませんでした。多分裁判になったら該当の部署が負けると思ったのですが、それほど大げさなものではないのでそれで終わりました。
豊洲の問題でもどこかで誰かがこうしたら便利だと会議の意見を無視してやったのだと思います。行政は基本的に個人が責任を取らないようになっています。
そのために稟議をして大勢の人間がハンコを押すのです。おじさんが高校に勤務しているときでも、起案者のおじさんから始まって教頭ー事務主事ー事務主査ー事務次長ー事務長ー校長とハンコが押されました。卒業式の案内状に貼る切手をもらうためにです。
こうして書類を見た人全員に責任を分担させるのです。豊洲の場合も、きっと誰かが言い出したと思うのですがその人とを特定して懲戒すると、懲戒を怖れて誰も意見を言わなくなります。
上司としてもそれは困るのです。また都の信頼が崩れるのも怖いのです。信頼が崩れればひとつひとつ事案を外部に検証してもらわなければなりません。
また、公務員は上司の命令に従う義務があります。上司が明らかに反道徳的なことや不可能な命令を出さない限り従わなければなりません。反道徳的な命令とはあいつを殺せとか不可能な命令とは月への出張とかです。
ですから、豊洲の問題でも下から出た意見とは限らないのです。ある上司がふと盛り土より地下室の方がいいと思いついて、それを部下に命じたら部下は黙って従うしかありません。
また職務上知り得た秘密を外部に漏らすと公務員法違反になります。ですから、部下は黙っているしかないのです。豊洲問題で決着をつけるには議会が百条委員会を作って強制的に調査するしかありません。
この委員会に関係の職員を呼んで質問すればいいのです。虚偽の証言や証言拒否は厳しく罰せられます。これならすべてが明らかになりますが、そこまで小池さんがやるかです。
そろそろ小池さんも落としどころを探っていると思います。小池さんとしては役人側を震え上がらせたのですからそころらで効果は十分でしょう。深追いして逆襲されたら大変です。議会も同様です。
豊洲問題の行方が注目されます。明日は娘と孫と孫の友達が遊びに来ます。忙しいのでブログはお休みすると思います。