新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

負けに不思議はなしー新潟知事選挙結果

 今日の株式相場は小動きでした。結局日経平均43円で引けました。ところで昨日NHKの番組を見ていて驚きました。それはテロップで出た新潟知事選挙での当確報道です。

 まだ開票率数パーセントの段階で当確で出ていたのです。選挙前の新聞報道では保守系候補が有利で野党系候補が急迫しているというものでした。

 そもそも保守系候補は自公の推薦もあり、全国市長会の会長でもあり、自公の有力者も応援に来ており、そもそも今は自民党の支持率は圧倒的なのですから、負ける要因はありません。

 多分安倍さんも勝利間違いなしと思っていたでしょう。新潟は農業県であり、保守の強いところなのですから。ところが蓋を開けてみると6万票近い差をつけられての敗北です。

 1万票くらいの差なら相手の追い上げで負けたと言い訳できるのですが、6万票では完敗です。それに相手候補は選挙直前に立候補しており、また野党相乗りで野党の中心である民進党も推薦していなかったのです。

 最大の敗因は原発問題でしょう。東京にいたのでは反原発の勢いの強さは分からないでしょう。それほど原発再稼働には反対が多いのです。地元が潤うと言った問題ではないのです。

 また反発も多いのですが野党共闘が成功したと言えます。野党相乗りについては野合だという意見もあります。しかし、野党が分裂して今回のような選挙に勝てるはずもありません。

 民進党内部でも野党連合について反対意見があります。しかし、今回の選挙結果を見る限りやはり野党連合は大きな力があります。

 中央では自民党政権の一強ですが、地方では案外そうではありません。前回の参議院選挙でも東北では野党が勝ちました。沖縄でもそうです。また鹿児島知事選でも原発反対の候補者が勝ちました。

 先の参議院選挙の時もブログで書いたと思いますが、変化は地方からおきます。それも辺境から起こるのです。前回は沖縄・鹿児島そして今回は新潟です。

 首都圏でも都知事選で自公の候補者が圧倒的な多数で負けました。何か一点突破するものがあれば、大きく変化が起こるのです。盤石を誇った江戸幕府も辺境である薩摩藩長州藩によって倒されました。

 大きな変化が辺境で起こっているのに、中央はそれに気が付かないのです。まさかそんな大したことはあるまいと思っていたらあっという間に流れが変わってしまうのです。

 薩長も一時は犬猿の仲であり、もっと言えば一時は戦争したのに手を結びました。幕府を倒すという一点で協力したのです。幕府から見えれば明らかな野合でしょう。

 反原発を地元にお金が落ちるという論理でつぶそうとした自公の戦略は見事に失敗しました。やはりこれが最大の敗因だと思います。鹿児島知事選の結果を学ばなかったのです。

 さりとて今更原発停止など言えないでしょう。これで1月の解散総選挙も難しくなりました。天皇退位の問題もあって憲法改正も停滞しています。これでアメリカがTPP再交渉などと言いだしたら既定の路線はめちゃくちゃになります。

 確かに安倍内閣の支持率は高いですが、それが選挙への勝利とつながらないところに政治のおもしろさがあります。明日は学校です。