したたかなフイリッピン外交
今日の朝日新聞の一面は「中比南シナ海棚上げ」の記事でした。おやおやと言う感じです。フイリッピンは国際司法裁判所で南シナ海の領有権の主張が認められたはずです。
ところが当事国のフイリッピン自身がこの問題を棚上げにしているのです。そもそもフイリッピンは単独では中国の進出に対して抵抗できないのです。
それでアメリカの力を借りて中国に対抗しようとしたはずです。安倍政権もそのつもりでフイリッピンを応援してきました。確か中古の巡視船を提供したはずです。
フイリッピンの狙いは中国からの経済援助でしょう。新聞の一面のサブタイトルは「中国9300億円融資へ」となっています。
なかなかしたたかな外交です。まず中国に恩を売ってお金をせしめ、次に日本に来て中国はこれだけ出しましたよ、このまま中国と手を組んでいいのですかと日本政府に迫るのでしょう。
また、中国包囲網が完全にほころんでしまいます。せっかく台湾に反中国の政権が成立したのに大変です。しかし、二つの国を天秤にかける政策は外交の常識なのです。
ベトナムも中国とアメリカの両方を天秤にかけて援助を求めています。北朝鮮もアジアの最貧国の一つでありながら、アメリカや中国を手玉にとってきりきり舞いさせています。中国二対してはもし北朝鮮が崩壊したら大変なことになりますよと脅しています。
国の弱さを逆手にとっているのです。アメリカ自身次の大統領が誰になってもこれまでで一番不人気な大統領になります。どこもそのことを知っているのです。
国内が一つにまとままらなければ大きな力を出すことはできません。日本も安倍政権が圧倒的な支持を得ていますが、アメリカなしにはどうにもなりません。
外交においてまさかはありません。まさかにいつも備えていなければならないのです。今安倍政権は国内的には圧倒的な力をもってますが、外交的にはどうかなと思っています。
フイリッピンのようなしたたかな外交ができたらと思いますが、戦前戦後を通じて日本は外交政策が余り上手とは言えないようです。
明日もフリータイムなのでのんびり過ごします。