新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

北朝鮮が崩壊しない理由

 今日まで国際問題を取り上げます。このところ北朝鮮はミサイル発射に連続して失敗しているようです。相変わらずサイトでは北朝鮮の崩壊が間近いと書かれたものがあります。

 北朝鮮崩壊論は繰り返しずいぶん前から出ています。しかし、崩壊する兆しは今のところありません。そもそも国家崩壊には内部崩壊と外部崩壊の二つがあります。

 内部崩壊の例としてはルーマニアや最近ではアラブの春などがあります。外部の力による崩壊は先の大戦の日本やドイツ最近ではアフガニスタンイラクがあります。

 アジアでは北ベトナムによる南ベトナムの崩壊があります。北朝鮮の場合を考えてみると、まず内部崩壊の可能性は少ないです。

 内部崩壊の場合、民衆蜂起と軍によるクーデターがあります。北朝鮮の場合民衆蜂起はまずありえないでしょう。軍によるクーデターの可能性が高いのは、おじさんでもわかることですから金書記も当然警戒しています。

 自分に少しでも反抗する気配があれば即座に処刑しているのでしょう。ところで最大の問題は国民が国家崩壊を望んでいるかです。

 国民全体が国家崩壊を望めばいくら軍を掌握しても結局国家崩壊につながります。ふつう、国民は相当ひどい状況でも国家崩壊を望まないものです。今のところ何とか生きていけているのに、どんな国家ができるか分からない危険を冒すことはないからです。庶民は結構生活保守なのです。

 アラブの春ルーマニアの場合は近隣諸国の国家崩壊が影響を与えたものです。ソ連の国家崩壊の引き金を引いたのは自国の大統領自身です。今のところアジアで国家崩壊の可能性のある国はありません。

 外部からの力による崩壊の可能性はさらに低いでしょう。アメリカや韓国が武力で北朝鮮を攻撃しれば、確かに国家崩壊が起こりますが、その後どうするかが問題です。

 またアメリカや韓国の攻撃に北朝鮮が黙っているかの問題もあります。もし反撃すれば韓国の損害は膨大なものになるでしょう。また膨大な難民の発生もあります。

 中国の態度も気になるところです。アメリカもイラクアフガニスタン侵攻がその後どうなったか学んでいるところです。イラクアフガニスタンでさえあれだけ手を焼いているのに、北朝鮮で戦争を起こせば大変な戦費がかかるでしょう。

 つまり国民も外国も皆非難はしますが北朝鮮の崩壊を望んではいないのです。誰も望まないのに国家崩壊がおこるはずはありません。

 ただ一つ国家崩壊の可能性があるとすれば金書記暗殺です。一人の独裁者による国家支配であるがゆえに逆にその独裁者が倒れると後継者争いが起きます。

 戦国時代の本能寺の変のようなものです。ただ有力な後継者がいないだけに国内は大混乱になるでしょう。暗殺者が有力な後継者にはなりがたいです。明智光秀を思い出してもらえれば分かると思います。

 暗殺者あるいはその背後にいる者はやはり国内的にも国際的にも評判が悪いです。思い出すのは韓国の朴大統領暗殺です。

 自分の部下から殺されました。その後大きく韓国は変化しました。ただ、政治体制が違います。韓国の場合はまだ次の大統領がでて国家崩壊を食い止めました。

 外部からの崩壊の可能性があるとすれば、北朝鮮が韓国へ侵攻する時か北朝鮮核兵器アメリカの安全を脅かすときです。その時アメリカは容赦なく北朝鮮の国家崩壊を目指すでしょう。

 外国による侵攻の可能性があるのが、どのラインなのか、ぎりぎりまで金書記は見ていると思います。それを見誤れば国家崩壊を招きますし、ぎりぎりでやめればアメリカとの交渉の切り札になるでしょう。

 こんなことはおじさんでもわかるので当然各国の外交関係者も北朝鮮の動向をそのような目で見ているでしょう。明日は特別伝道集会の司式とバザーの手伝いです。