新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

時代が人を呼び出すートランプ大統領の登場

 昨日は一日忙しくてブログを書くことができませんでした。おじさんはガラケーなので、家に帰るまでトランプ氏の勝利を知りませんでした。最初えーという感じを持ちました。
 ただ以前から書いているように、まさかもあるとは思っていました。それは隠れトランプ支持が結構あるのではという記事を見たからです。
 その数が想像以上に多かったようです。隠れトランプ支持者は自分がトランプ氏と同じ人間と思われてはいやだがクリントン氏が嫌いだという人だと思います。あの生意気な女が大統領になるくらいなら、トランプの方がまっしだと思った人も多かったようです。
 さらには民主党支持者でもサンダース支持の若者はクリントン氏を応援せず選挙にもいかなかったかもしれません。聞くところによると、得票数はクリントン氏の方が多かったようです。
 実は以前にもアメリカ大統領選挙で同じことが起きました。ゴア候補とブッシュ候補の対決の時です。この時も得票数はゴア候補の方が多かったのですが、選挙人の数でブッシュ候補に敗れました。
 その後起こったのがイラク戦争です。これが中東を混乱に陥れる最大の要因になったのはご存じの通りです。おまけに開戦の理由とした核兵器もありませんでした。
 今回もトランプ候補が世界を混乱に陥れる可能性があります。あの時もしゴア候補が当選していたらその後の中東の混乱はなかったかもしれません。
 タイトルに書いたように、時代が個人を呼び出すのです。10年前ならトランプ氏が共和党候補になることもなかったでしょう。しかし、時代が予想外の人物を表舞台に立たせるのです。
 今の閉塞した時代にはこんな型破りの人間が好まれるのです。かって小泉さんが登場した時の小泉劇場に似ています。トランプ劇場と言ってもいいでしょう。
 人々の不満をうまくくみとっているのです。理屈でなく感性に訴えるのに長けているのでしょう。今最大の流れは反グローバリズムです。米国の中間層が没落したのはグローバリズムのせいだと主張しているのです。
 その最たるものがTPP反対でしょう。他の政策はどうなるか分かりませんがこれだけは批准しないと思います。もしこれまでの主張を就任してすぐ変更したら支持が一気に下がるでしょう。
 トランプ氏はこれまで政治経験がありません。日本でもかっては政治経験のない学者や文化人さらにはスポーツ選手や芸能人まで知事や代議士になりました。どこの国でもスタッフが付けばなんとかなるのです。
 しかし、トランプ氏の場合、極端な主張が強すぎて現実に主張を実行したら世界は大混乱に陥るでしょう。しかし、これまでの流れと全く無関係に主張をしたので当選できたのです。
 逆に言えば主張をこれまでの流れと変わらないものにしたら、あっという間に支持率は落ち、中間選挙では共和党は大敗するでしょう。
 またこれまでの共和党の主張とトランプ氏の主張は大きく食い違っています。それゆえ共和党の中でも支持が少なかったのです。これも、共和党主流派の意見に従うなら、トランプ氏らしさが失われます。
 さりとて、自分の主張を押し通せば議会での運営が難しくなります。経済政策でも自由貿易から保護貿易へとかじを切るなら、経済界から不満がでるでしょう。
 しかし、保護貿易を主張したので支持が得られたのですから、自由貿易へとかじを切れば支持がなくなります。従来の政策に不満があるからこそトランプ氏が当選したのです。
 しかし、従来の政策は世界の流れの中でできたものです。トランプ氏一人の力ではどうにもなりません。また外交政策も全く見えてきません。経済人らしく、自分に利益になるならやるが損をしてまではやらないとなれば、アメリカからの離反が増えるでしょう。
 すっぱり何事も割り切るやり方では、複雑な外交問題を解決することはできません。トランプ氏の経済政策を好感して株価は日米ともあがりました。対ドル相場も105円台をつけています。
 トランプショックはどこに行ってしまったのでしょうか。現金なものです。しかし、おじさんは楽観視はしていません。人々の不満を糧に当選しましたが、人々の願いをかなえるのはほとんど不可能に近いのです。
 イギリスのEU離脱に続いてトランプ大統領が登場しました。ブラックスワンが2回も現れたのです。まだまでブラックスワンは現れるでしょう。次はフランス大統領として現れるかもしれません。
 現代はまさかの時代です。ゆめゆめ安倍さんも油断してはなりません。まさか自民党議席が激減するということもあり得るのです。
 明日はのんびり過ごします。