新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

連衡から合従へー破たんした安倍政権の中国包囲網

 昨日は下の孫を預かったのでブログを書くことができませんでした。次女に所用があって、夜まで預かっていたのです。昨日は孫と「金メダル男」という映画を見に行きました。
 なかなかおもしろかったです。さて今日は日曜日なので恒例の教会ネタなのですが、今日の礼拝説教は「海の歌」という日本人がほとんど知らない聖書箇所なので本来昨日書こうと思ったこと取り上げます。
 合従連衡というのは、古代中国(秦の時代)の言葉です。当時強大な力を持った秦に対して連衡(連合)して向かうのか合従(個別協定)するのかで意見が分かれました。
 連衡が一時成立するのですが、結局その政策は破綻します。タイトルの「破たんした安倍政権の中国包囲網」というタイトルはなかなか刺激的です。
 どこに出典があるのでしょう。大方の読者はたぶんリベラルな朝日新聞か雑誌「世界」だろうと思われるでしょう。おじさんもこの記事を見た時その刺激的なタイトルにびっくりしました。
 出典は何と「軍事研究」という雑誌です。この雑誌はかなり前から読んでいます。軍事問題の専門雑誌です。特殊なものでなく、おじさんの町の行きつけの本屋さんにもあります。
 アベノミックスだけでなく、中国包囲網も破綻しているのです。リベラル派だけでなく、軍事問題の専門家もそうみているのです。安倍政権は日本を中心に東南アジアからインドまでかけて中国包囲網を作ろうとしました。
 しかし、すでにその目論見は破綻しています。今問題になっているのは南シナ海東シナ海です。東シナ海は日本が何とか抑え込んでいますが、南シナ海では中国の進出が進んでいます。
 一番矢面に立っているのはフイリッピンです。そのフイリッピンが中国と個別に対応しています。ベトナムもそもそも共産党一党独裁ですから中国とはつかず離れずです。
 タイも軍事政権になってアメリカが軍事援助などを控えているので中国に接近しています。インドも同様で、中国とアメリカを両天秤にかけています。
 本来西側のオーストラリアも中国が最大の貿易相手国ですから日本にだけ肩入れするわけにはいきません。肝心のアメリカがトランプ大統領になって対中国政策が見えてきません。
 彼はもともとビジネスマンですから、何が自国の利益になるかを考えるでしょう。そうなると日米関係も米中関係もどちらに力を入れた有利か考えるはずです。まず尖閣諸島という小さな島のためにアメリカ軍を派遣するとは思えないのです。
 そんな島など中国にやってしまえばよいと考えるでしょう。あるいは、守ってほしければもっとお金を出せと言われるかもしれません。
 今回のアメリカ大統領選挙の結果を見て、アメリカが自国中心になると考える国が圧倒的でしょう。アメリカの力を当てにできないとなれば、対中国で連衡するより、アメリカと中国の両天秤を考える国が増えると思います。
 安倍政権の中国包囲網はアメリカの巨大な軍事力があって初めて成立するものです。ところが、トランプ大統領になって、中国と軍事衝突してまでアジア地域を守るのか不明瞭になってきました。
 そうなれば、アジア各国は中国を締め出すのでなく、中国ともつながりをつけようとするでしょう。逆に日本だけが中国と全面対決する形になりかねません。
 軍事研究の記事では中央アジアで中露が対決するようにすべきだとしています。つまり中国の目を海洋ではなく内陸の中央アジアに向けさせようというのです。
 ここでもロシアが顔を出します。トランプ大統領はロシアのプーチン大統領を買っています。安倍さんもプーチン大統領が大好きです。おやおや日米がこぞってロシアと仲が良いのです。
 クリミア併合など忘れてしまったようです。先の大戦末期に中国東北部(旧満州)に侵攻して日本人が大勢ひどい目に会ったことも忘れたようです。終戦になったのに樺太に侵攻したことも忘れたようです。
 嫌韓反中もいいですが、歴史を忘れてはいけません。クリミア併合を見ても決してロシアは領土拡大を忘れたわけではありません。
 イギリスのEU離脱も連衡政策の破たんです。時代は連衡から合従へと進んでいます。あるいは世界のブロック化が進んでいます。日本が中心になって連衡政策を進めるのは難しくなっています。
 その点に気をつけなければ、先の大戦の時のように、再び世界で孤立する可能性があります。隣国韓国も今の政権が倒れて野党政権ができたら、対北朝鮮融和政策へと進むでしょう。
 突然トランプ大統領ピョンヤンを訪問して米朝平和条約を提携するかもしれません。大統領就任後日本より前に中国の習近平主席と会談するかもしれません。
 現代社会はまさかの連続です。何があっても驚かないようにしたいものです。明日は授業準備をします。