新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「敵基地攻撃能力保有」について考える

 今日はポステイングの準備で忙しくて今頃これを書いています。日経平均はちょい高でした。おじさんの持ち株も高安まちまちです。
 さて今日は珍しく軍事ネタです。以前から書いているように、クリスチャンで温厚なおじさんは実は軍事オタクなのです。
 今日のネタは保守派の議員から繰り返し出される敵基地攻撃についてです。ずいぶん前ですが、北朝鮮の日本人拉致問題が明らかになった時、自衛隊を出動させて日本人を救い出せという意見がありました。
 少しでも軍事知識がある方は全く意味のない意見だと分かるでしょう。そもそも、どこに何人どのような状態で日本人がいるのか不明で軍事作戦を立てることはできません。
 そんなことはすぐ分かることなのであっという間にこんな意見はなくなりました。と思ったら今度は敵が日本を攻撃する前に敵の基地を叩けという勇ましい意見です。
 これも別段自衛隊でなくてもそれは無理ですというでしょう。当然のことながらいくら基地攻撃の兵器を保有してもまずどこをどう叩くのか正確な情報を得るのは難しいです。
 敵も自衛隊機が攻撃してくるのを黙って見ているわけではありません。そもそも日本の自衛隊基地を攻撃機が飛び立った瞬間相手国は攻撃してくることが分かるはずです。
 敵基地を攻撃するほど緊迫した情勢下で相手国が何もしないと考える方がどうかしています。永住権を持つ在日韓国・朝鮮人の人を全員国外追放しても、中国人もいます。
 また東南アジア諸国の人で買収されてスパイしている人もいるでしょう。大きな音をたてて飛ぶ攻撃機の出撃を隠すことはできません。
 次にどこを攻撃するか難しいです。先制攻撃なので、当然相手は全力で報復するでしょう。日本国内にミサイルをどんどん打ち込んできます。日本が先に手を出したのですから反撃をくらっても文句は言えません。
 先制攻撃が可能なのは相手に対して圧倒的に優位な時だけです。アメリカの先制攻撃に反撃できる国はないでしょう。かってはイスラエルアラブ諸国に先制攻撃をかけることができたのも同様です。
 ずいぶん前になりますが、フォークランド紛争でアルゼンチンがイギリスの領土だったフォークランド諸島に先制攻撃をかけ完膚なきまでにやられたことがあります。
 この時も地球の裏側まで軍隊を派遣するとは思っていなかったのです。日本の場合も相手が反撃するとは思っていないかもしれませんが、そんなことをすれば攻撃された側の政権は持ちません。
 また、相手基地を攻撃し、その後相手が反撃してきて戦争状態になっても日本が持ちこたえられるのでしょうか。逆に日本の基地攻撃をきっかけに相手国が崩壊して大量の難民が流出してアジア全体に混乱が広がるかもしれません。
 その時どうするかの計画なしに敵基地攻撃をすれば世界中から非難されるでしょう。余計なことをして世界を混乱に陥れたというものです。
 真珠湾奇襲でも戦術的には成功でもアメリカの世論を反日で統一した点で戦略的には大失敗でした。敵基地は戦術的には効果があるかもしれませんが、戦略的には大きな問題があります。
 今自民党の一強なのでなんでもできると思っているようですが、およそ日本の国力に合わない敵基地攻撃能力の保有などやめた方がいいです。
 それより地道な装備の充実に力を注ぐ方がいいです。ガンマニアのおじさんでも自衛隊のもつ機関短銃なる世界的に見て恥ずかしい武器をもっと世界的レベルのものにしてほしいです。
 自衛隊の小火器類はおよそ世界の趨勢から数十年遅れています。それは小火器だけでなく、陸上兵器全体にいえるのではないでしょうか。
 明日はポステイングです。