新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日銀の出口政策について

 今日も日経平均はちょい安でした。まあ19000円台を何とか維持しているので良いとしなければなりません。ところでアベノミックス登場から4年近くになります。
 アベノミックスでは3本の矢とか言っていましたが、結局日銀の異次元金融緩和だけということが明らかになりました。おかげで今頃アベノミックスを評価する人はほとんどいません。
 一時大量に出版されたアベノミックス礼賛本も本屋では見なくなりました。黒田総裁の任期切れが視野に入りましたが、続投という意見もあって先行き不透明です。
 ただ徐々に世界の中銀は金融緩和の出口を探っています。しかし、日本だけは全く蚊帳の外です。そもそもアベノミックス自身、将来のインフレ期待に重点が置かれていたのです。
 将来インフレになると国民が思い出して品物を買いだしたら、それがきっかけとなってインフレが起こると日銀はみていたのです。
 しかし、現実にはそうなりませんでした。またインフレ期待を側面から援護するために異次元の金融緩和を実施して市中に信じられない額のお金をばらまきました。
 金利を0からマイナスまで下げてお金を借りやすくしたのです。しかし結果インフレは置きませんでした。逆にイオンやセブンイレブンまでも値下げに走っています。
 これにはいくつか理由があるでしょう。一つは社会の高齢化です。高齢者はいまさらほしい物もありません。あっても年金生活ではそれほど物を買えないのです。
 人口の塊ともいえる団塊の世代が70才を越えつつある今、物を買うどころか終わりに向けて物を整理しているのです。空家も百万単位になりました。地価が値上がりしているのは大都市圏だけです。
 また将来買い手の数が減少すると分かっているのに国内で大幅な設備投資をする企業はありません。となると企業の資金需要もないのでいくら金利を引き下げても借り手はいません。
 人手不足で賃金が上昇しそれをきっかけに物価上昇が起こると言われますが、少々非正規社員の時給が上がってもそれほど購買力が増えるとも思えません。
 賃金が上がっても雇用不安があれば貯蓄します。年金が不安だとなればこれまた貯蓄します。若者の物ばなれも進んでいます。
  もし大幅なインフレ傾向が見えたら高齢者は間違いなく節約生活に入るでしょう。そうなれば結構な数いる高齢者はさらに節約傾向を強めるでしょう。団塊の世代はもともと戦後すぐ生まれたので貧しい時代を知っています。
 ですから節約など簡単です。と言うわけで早めに政策の失敗を認めて日銀は出口政策を考えた方がいいと思います。先の大戦でもじり貧を怖れて結局どか貧になりました。
 膨大な量の国債を買い込み、いつ値下がりするか分からないETF(上場投資信託)を抱え込んでいると、破滅的な状況に陥る可能性があります。
 失敗の先延ばしがどうなったかは東芝・シャープ・JARを見ればわかります。どんな大企業でも破たんするものなのです。日銀だからと言ってそれを免れることはできません。
 破綻しないにしても破滅的な通貨安や金利高騰といった副作用が起きない可能性はないのです。まあいくらおじさんがこのブログで書いても安倍政権には馬耳東風でしょう。
 明日は久しぶりにのんびり過ごします。