新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「一帯一路」政策に集まる国々

 昨日とおとといは次女のお手伝いに行っていてブログはお休みしました。日経平均の方は2万円を目前に足踏み状態です。
 今日は日曜日なので本来なら教会ネタですが、今日の説教は旧約聖書民数記というクリスチャンでもほとんど読んだことのない箇所なので別のことを書きます。
 AIIBが成立した時、保守派は無視しろ、一方経済界の一部にはバスに乗り遅れるなという二つの意見がありました。中国嫌いが主流の国内世論もAIIB参加に反対でした。
 世論の趨勢は成り上がり大国の中国に国際銀行が運営できるはずはない、まもなく行き詰るだろうという意見でした。さらにはイギリスが中国のお金ほしさにすり寄ったから頭数だけそろったのだという意見でした。
 その後を見てみるとすでに70か国が参加しさらに7カ国新規に加わるようです。それでアジア開発銀行参加国の数を抜いてしまいました。
 AIIB同様中国中心の「一帯一路」政策はさらに広がりを見せています。中国への対抗意識満々の安倍政権もさすがに無視できず二階幹事長を出席させています。
 今世界的に需要不足です。需要不足というより生産過剰なのです。とくに鉄鋼やセメントなどが生産過剰です。どこの国もどんどん鉄鋼やセメントを使う事業をやってほしいのです。
 その点一帯一路政策はアジアから中央アジアを通ってヨーロッパへ抜けるルートだし、海の一帯一路も考えられています。
 つまり海に面した国も海に面しない国も皆経済的利益があるのです。どこの国も内心では中国の大柄な態度に不満はあるでしょう。しかし、経済的利益あるとなれば背に腹は代えられないのです。
 もし一帯一路の政策に加えわらなかったら、みすみす利益を得るチャンスを失うのです。中国のすごいところは、地球規模のプロジェクトを提唱できることです。
 どんなに頑張っても極東の島国である日本にはこのような壮大なプロジェクトを提案できないでしょう。この政策を推進した習主席はそれなりに優秀な指導者だと思います。
 安倍政権の支持率は高く、評論家によっては安倍氏を高く評価する向きもあります。しかし、それは国内だけの話です。安倍政権が世界130か国以上また首脳クラスを29人集めるレベルのプロジェクトを計画推進できるとは思えません。
 先の大戦の時、日本の航空勢力は4発エンジンの大型爆撃機や欧米並みの重戦車を作ることができませんでした。自動小銃も少しはありましたが、欧米諸国のようにいきわたらせることはできませんでした。
 細かい作業や既成のものの改善改良には強いのですが、一帯一路のような規模のプロジェクトには弱いです。中国の場合万里の長城のような壮大なプロジェクトをやった経験があるのです。
 国土の広さも唐や元の時代などを考えれば途方もないものがあります。世界的な需要不足の現代では一帯一路のような巨大プロジェクトが求められているのでしょう。
 日本のような安全第一の社会風土ではほら話に近い一帯一路の政策を提案するのは無理です。政策は言い出したものが一番有利だしイニシアチブを取ります。
 まだまだ様子見の段階ですが、もしこれが動き出してある程度の成果を出せば米中二大勢力の時代が来るかもしれません。
 一帯一路の政策の状況を見る限り中国崩壊論や中国経済崩壊論は机上の空論あるいは日本人の願望だったのかもしれません。いずれにしてもこれから注目される政策です。
 明日は教会の仕事をします。