新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

AIの時代が来てもなくならない仕事ー教師

 今日の相場は100円ちょい安でした。おじさんの持ち株でいえば高安まちまちです。対ドル相場も110円台で落ち着いています。
 フランスの議会選挙はどうも予想通りだったようで、相場への影響はなさそうです。ところで今日は中学校勤務2回目です。
 今日の仕事をしながらどんな時代が来ても教師の仕事は人間以外できないだろうと思いました。おじさんが教師になりたての頃ある人から授業は舞台演劇だと聞いたことがあります。
 授業の最大の特徴は二度と同じ授業はできないということです。舞台演劇も二度と前回と同じことはできません。演劇は俳優だけでなく観客と一体となって作り出すものだからです。
 観客の反応を見ながら演じるのは俳優としては当然のことです。観客が全然いない舞台と大勢の観客がいる舞台と同じ演技できないでしょう。
 AIの場合過去に出来事を分析し一定のパターンを見つけて次を予測することになります。最近将棋で人間をAIが破って話題になりました。将棋の場合AIの効果が出やすいと思います。将棋の場合駒の働きは決まっているし、将棋盤という狭い世界で戦います。
 どんなに多くても所詮動きには限界があります。ところが授業の場合同じ教材で同じように教えても同じ反応がでないのです。
 理科の実験とは違います。再現不可能なのです。その最大の理由は人間が開いているからです。人間の反応は無限です。一人の人間でもいろいろな反応を示します。
 すべての人間が同じような反応を示すことはないのです。例えば授業の内容は忘れたが先生が言ったあの言葉は今でも忘れないということがあります。
 どの言葉をいついえばこんなことが起こるのか予想不能です。以前はとても授業がやりやすかったクラスが今日は悪かったです。
 逆にとてもやりにくかったクラスがやりやすかったです。教材も進め方も同じなのですが、日によってクラスの反応が違うのです。
 教育の場合言葉の通り教える部分と育てる部分があります。AIで可能なのはせいぜい教える部分です。しかし、教えたことをどう相手が受け取るからは千差万別です。
 機械ならある一定の操作をすれば一定の効果が出ます。教育の場合それができないのです。AIは全ての人にあてはることを前提にしますが、教育は極端に言えば一人ひとりが対象になります。
 授業ではこちらが予想しない反応が出たり、ちょっとした発言で一気に授業が盛り上がったり予想不能なことが多すぎます。
 人間のよいところは事前に予想できないことが起こった時即座に対応できる点です。ベテランの教師ですと経験が豊富なのですぐに対応できるのです。
 高校の場合入学試験で輪切りにしているので同質の生徒ばかりです。また普通高校であれば進学、専門高校であれば就職と目標が原則はっきりしています。
 しかし、公立中学の場合多様な生徒がいます。おじさんもクラスの中を見ていてそれを感じました。塾だと希望する者だけですが、義務制の学校はいやでも行かないといけないのです。
 高校・高専・専門学校・大学・大学院と教えましたが、今回は全く別の体験をしています。毎日が驚きの連続です。明日は専門学校で日本語を教えます。