新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

厳しい留学生の未来ー日本語の壁

 今日は午前中専門学校の授業でした。今日授業に行ったら正社員の募集が掲示してありました。どちらもコンピュータ関係の会社です。
 待遇をみて暗澹たる気持ちになりました。残業代を除いて手当込みで16万円です。もちろん、健康保険も厚生年金もついています。
 逆に留学生にとってこれらの社会保険は負担にしかならないのです。なぜなら厚生年金を受給できる年限まで日本で働くはずもないからです。
 相当残業しても手取りは12万円くらいにしかならないでしょう。これから家賃と食費を引けば数万円しか残りません。さらに電気代等の光熱費、携帯の代金などを引けばとても貯金できるお金はありません。
 残業が続けば自炊は難しいので外食が多くなるでしょう。そうなると食費も増えます。とここまで書いたら正社員になれそうなイメージですが、残念ながら正社員として働くのは難しいでしょう。
 いま社員採用で一番重視されるのはまずコミュニケーション能力です。次がグループで仕事をする能力です。この二つが欠けていれば採用は難しいでしょう。
 実際会社に入ってもこの二つか欠けていれば仕事を続けるのは難しいでしょう。今教えて居る留学生の場合どちらも欠けています。
 国立大学や有名私立大学の学生はそうではないと思います。以前も書きましたが今激増しているのはベトナムとネパールの学生です。
 ベトナム人の方が日本語学習において有利です。宗教的にも仏教ですから何とかなります。しかし、ベトナム人は強烈な個性があります。
 ベトナム戦争などの戦乱を長く続けているのに、穏やかで人と協調したりなどできません。自分の身は自分で守るということになるのでしょう。
 それ以上に日本語能力の不足が絶望的です。アルバイトなどだと使う単語も文型も限られています。敬語一つとっても慣れれば何となく使えるようになります。
 それは仕事の内容に幅がないからです。しかし、正社員になれば日本人と対等に話せねばなりません。日本人の若者でも苦手な電話の応対もしなければなりません。
 このレベルの日本語を話せる留学生は先述した国立大学に在学する留学生かそれに準ずる私立大学の学生だけです。また、日本語学習の一番のネックは漢字です。
 日本語から漢字を除いたら何も残りません。そもそも漢字は表意性の高い文字です。字の中にすでに意味が含まれているのです。こんな言語は他にありません。中国人や韓国人の学生の場合、漢字は身近ですが、東南アジアやましてネパール人にとって漢字はおよそ理解不能なのです。
 逆にネパール文字を見ましたが、書くことは不可能です。アラビア文字に似ています。日本語の壁が外国人労働者や移民の最大の問題になると思います。
 おじさんが生きて居る間に外国人労働者や移民が認められるとは思いませんが、よほど制度を整備しないと、社会不安を起こすことになりそうです。
 明日は仕事がないのでのんびり過ごします。