新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「人口減少時代の土地問題」-おじさんの体験

 今日は庭の草刈をしたり、銀行に行ったりして過ごしました。株式相場は20円ちょいの小動きです。一時は100円以上の値上がりだったのですが、終わってみれば状態です。対ドル相場も111円台です。
 ところで先日買った「人口減少時代の土地問題」(中公新書)を読み終わりました。以前の土地問題は土地の値上がりの問題でしたが現在の土地問題は全く違います。
 土地や建物の所有者が不明化しているのです。最大の理由は土地の価値が下がったのと高齢化が進んでいるからです。
 以前土地は財産でした。長い間土地の値段は上がることはあっても下がることはないという土地神話がありました。それがバブル崩壊とともになくなったのです。
 とくに都会より地方それも農村部で土地問題が深刻化しています。おじさんの体験とこの本の内容が重なります。まず地積調査についてです。おじさんが最初に直面した土地問題はこの地積調査です。
 30年ほど前義父の出身地の村役場から地積調査で義父の父の土地が見つかったので相続登記をしてほしいと連絡がありました。義父は何のことか分からなかったので、おじさんが役場と交渉して事実を確認し義父に相続させました。
 本人もしらない土地が地積調査で出てきたのです。義父の父は地主でしたが道楽して土地を手放したのです。後に法務局へ行って近隣の土地の登記簿を見たら分かりました。
 ただその土地は売れなかったのでそのままにしていたのです。何と田んぼのあぜ道を含む堤の上の土地でした。その後義父がなくなって義母が相続したのですが、その土地の評価額が不明でした。
 固定資産税がかからないほどの価値しかなかったのです。それでまた村役場に交渉して評価額を出してもらいました。その後現場を見に行きましたがどこが義母の土地か全くわからなくなっていました。
 おそらく永遠に使われることのない土地です。多分義弟が相続すると思いますが、甥や姪が相続するかどうかさえ分かりません。
 これも義父たちが買った土地でについてす。そこはある不動産業者が投資のために開発したのです。将来道が出来たら市街化調整区域が解除になるということで売っていたのです。
 ところが道を作る計画は中止となり荒れ果てたままになっていました。そこも地積調査が入って確認のために行きました。将来使えるめどもなかったのです。
 しかし、少し高台になっていて擁壁がありました。もし擁壁が壊れたりしたら義母の責任で改修しなければなりません。たまたま義母の土地の下の家に来ていた方が無料なら引き取ってもいいということで贈与しました。
 さらに別のところにも義父たちの土地がありました。こちらは宅地として売り出していました。ですから固定資産税がかかります。ここは電気も水道も来ていないところです。すぐ近くまで電気も水道もあるのですが、小川を挟んで向こう側に義父の土地があります。
 つまり電気や水道を引くには川を越えなければならないのです。個人でできることではありません。先日行ってみましたが荒れほうだいです。また近隣の土地との境界線も不明になっています。
 以前川から内側に入る道路の問題もあって町役場に交渉に行きました。義母は無料で町に寄付しても良いと言いました。役場の担当者と交渉すると役に立たない土地はいりませんと言われました。
 ここも義弟が相続すると思います。もし義弟も義妹も相続の手続きをしないとなると関係者は8人に増えます。そこでも手続きをしないと関係者は11人に増えます。
 娘婿の家も農家なので山林や田んぼに畑があります。娘はたとえ娘婿が山林や田んぼを相続しても、娘婿が亡くなった後相続放棄すると言っていました。そうなると持ち主不在の山林や田んぼが出るのでしょう。
 問題の解決の道は見えてきません。人口減少と都市集中の二つが問題の根っこにあるのでしょう。明日は忙しいのでブログはお休みです。