新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「職業と選抜の歴史社会学」を読む。

 今日は家の仕事をしたり散髪に行ったり、歯医者に行ったりして過ごしました。相場の方は一時安値圏に入りましたが40円ちょい高で引けました。
 ところで、昨日からタイトルの本を読んでいます。タイトルの本の副題は「国鉄と社会階層」です。従来の学歴と職業の研究はどちらかというとエリートに焦点が当てられていました。
 確かに帝国大学や高級官僚についての話は世間の注目を集めます。しかし、当然のことながら、国民の99%は非エリート階級です。
 今回読んだ本は、その非エリートに焦点を当てているのです。この本の一部は「非エリートの学歴と職業」です。二部は「戦前期国鉄職員の研究」です。
 非エリートとは言っても能力がないわけではありません。当時の社会状況の中では、上級学校に行くのは経済的に難しい家庭が多かったのです。
 識字率の高いと言われる日本でも小学校への就学率が90%を超えたのは明治30年代です。最初小学校4年までが義務教育だったのですが、その後6年に延長されます。
 男子に比べて女子の就学率が低かったのです。その上中途退学さえ多くみられました。その後尋常小学校から高等小学校への進学率が上がります。
 意外だったのは、国鉄などにおいても尋常小学校卒と高等小学校卒では昇進に差があったと書かれています。中学卒業ならもっと良いのですが、明治期の場合中学自身の数がとても少なかったのです。
 これも意外でしたが、中学中退でも高等小学校より優遇されたようです。また学歴を越えるためには、資格を得ることも重要でした
 一部では「電気事業主任技術者資格」の取得に注目して論述しています。タイトルは「中等工業教育と職業資格」です。ここでは工業学校以外に各種学校でも資格を取得することができたことや、夜間中学の形でも学ぶことができたと書かれています。
 国鉄においては鉄道教習所という特別な学校があって、そこで学ぶことによって高等小学校卒業でも駅長などになれたようです。
 どの時代でも努力することで階級上昇が可能だったようです。明日は忙しいのでブログをお休みするかもしれません。