新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日本語のむつかしさ

 今日の相場は朝方値上がりしていたのですが、結局12円ちょい高で引けました。おじさんの持ち株も高安まちまちです。
 今日は専門学校の授業でした。今教えている学生は来年の3月に卒業です。一部は近くの私立大学を希望するようで、18日に入学説明会に行くようです。
 ただ学生の日本語能力から考えて授業についていけるだろうかと思っています。今ベトナム人とネパール人を教えていますが、ネパール人の方が純朴でまじめです。
 しかし、成績は悪いです。一方ベトナム人は態度は悪いですが、成績はこちらの方がいいです。ネパール人の場合、地域が余りに離れすぎています。
 とくに漢字が本当に苦手です。ベトナムはかって安南と言われた中国の植民地ですから、漢字をあちこちで見ることができます。また宗教も仏教ですから文化的にもなじみがあります。
 日本語学習の困難性の一つは文字の問題です。英語であればアルファベットだけ覚えればいいです。中国語だとすべて漢字だけです。
 日本語の場合漢字とカタカナとひらがなの三つを使い分けなければなりません。文字表記にも原則があってそれに従わなければなりません。
 アメリカをあめりかと書くと違和感があります。私はと書くところを私ハと書けばやはり同じです。英語の場合、普通は小文字の活字体だけです。(今は筆記体は教えないようです。)
 次に表現が微妙すぎることです。今日も「できないことはない」と言った表現がありました。「できる」「できない」とどう違うのか理解しにくいと思います。
 「できない」を否定して「こともない」となっているのです。所謂二重否定です。当然肯定なのですが、はっきり「できる」というのとは少し違います。
 また「ちょっとならできる」と「それほどできない」の違いも難しいです。こんな表現が次々に出てくるのです。「まあまあできる」となるとさらに難しくなります。
 日本を代表する和食の繊細さは言語にも表れています。また敬語も理解しにくいです。日本人でさえ流通業界に入ると特別に研修するくらいですから当然です。
 方言と共通語はどの言語にもあると思います。男性語と女性語はどうでしょう。他の言語については知りませんが日本語の場合あります。
 以前書いた通り、日本語の会話文は東京の女性語が元になっています。ですから例文を見ると地方の男性であるおじさんは、こんな言葉遣いしないよねと思ってしまいます。
 以前日本語教師養成講座でJICAに行ったことがあります。来る研修生はほとんど中年の男性です。ところが日本語教師になるのは、ほとんど若い女性です。
 若い女性語だと研修生の人が職場に入った時困るのだと聞いたことがあります。確かに中年の男性が中心の製造業の現場で若い女性語を話したら笑われるでしょう。
 日本語を教えながら日本語のむつかしさを感じたのでちょっと書いてみました。明日は家の片づけなどをします。