新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

映画「ドリーム」を見てー知は力なり

 今日の相場はちょい高で引けました。と言っても今日は一日出ていたので家に帰ってから相場を見たのです。対ドル相場も112円に張り付いています。
 ところで今日は午前中御髪の(おぐし)手入れに行き、午後から時間があったので映画を見に行きました。以前から書いているように、アゴラの映画評論を読んでいくようにしています。
 今日見に行った「ドリーム」は評論家がべた褒めしていたのです。実際見て納得しました。この評論家は結構辛口なのですが、その人がべた褒めというのにも驚きました。
 内容は1960年代のアメリカの黒人女性の話です。アメリカの場合まず黒人と言うだけで差別されます。おまけに女性なのですからその差別はひどいものがあったと予想されます。
 舞台は何と最先端技術の塊のNASAなのです。登場するのは3人の黒人女性です。彼女たちは皆相当のインテリなのです。主人公ともいえる女性は大学院の修了で数学と物理学を専攻しているのです。
 しかし、与えられた仕事は研究補助の計算係なのです。当時まだコンピュータがなかったので、計算は手でやっていました。ですから、膨大な計算の必要な宇宙開発では専門の計算係が必要だったのです。
 NASAにいた黒人女性は皆この計算係でした。そのリーダともいえる黒人女性はチーフがいないにも関わらずチーフにはなりませんでした。
 もう一人の女性は学部で数学と物理学を専攻し、能力もあるのに技術者養成講座を受講できませんでした。申請しようとしたら、担当者が無理な条件を付けて申請できなくしているのです。
 この3人の女性たちは自分たちの知性を活かして道を切り開こうとします。最初に書いた女性は計算係として開発部門に派遣されます。そこでは黒人ようのポットもトイレもないのです。この女性はわざわざ持ち場を離れて黒人用のトイレまで行きます。
 あるときその部門の本部長がそのことを知ります。有能な女性でありながら、職場のトイレさえ使えないことに怒りを覚えるのです。かれは黒人用と書かれたトイレの看板をハンマーで打ち壊します。
 その本部長自身両親をナチスによって殺されたユダヤ人だったのです。ですから差別というものを身に染みて感じていたのです。
 三番目の女性は新たにできた規則を満たすには大変な努力が必要でした。その規則を満たすには白人専用の高校の講座を受講しなければなかったのです。州の法律では黒人は白人の高校に行けなかったのです。
 そのため彼女は裁判所の判事と掛け合い許可を得ます。そしてその高校で見事単位を得てエンジニアになるのです。二番目の女性はNASAが導入したコンピュータのプログラミングを独学で身に着けるのです。
 最後に黒人女性として初めてNASAの管理職になります。彼女たちに共通するのは学ぶ力と強い意志をもって道を切り開いていくという点です。
 強い意志があっても知がなければ、NASAでは上に進めません。いやらしい駆け引きなどではなく、自分の知識で道を切り開いていったという点が見ていてとてもすがすがしかったです。
 このような人たちの歩んだ道があってオバマ大統領の誕生へと進んだのでしょう。ぜひこのブログの読者の方に見ることをお勧めします。
 明日は忙しいのでブログをお休みするかもしれません。