新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

若者はなぜ自民党支持なのか

 今日は専門学校の授業でした。帰ってから散髪に行ったので今頃これを書いています。相場はちょい安で引けています。相当相場は値上がりしたのですが、また日銀の買いが入ったようです。
 何としても相場の下落を食い止めようという気なのでしょう。ところで各種の世論調査で若者の自民党支持が言われています。
 かっての日本は怒れる若者たちと言われるくらい若者の反体制が顕著でした。アラブの春でも若者が政権を倒していきました。
 アメリカの大統領選挙でも社会主義を主張するサンダース候補を若者が支持しました。ところが日本では圧倒的に現状維持の自民党を支持しています。
 理由は簡単で若者は今の現状に満足しているからです。今の現状を守ってくれる自民党を支持するのは当然です。もし、別の党が政権を持ったら今の社会が変わってしまうのです。
 それを怖れているのです。おじさんたちからしたら今の社会は格差も大きいし、若者にとって生きにくいと思うのですが、どうもそうではなさそうです。
 昔の若者は上昇志向が強くて、がんばって偉くなろう豊かになろうと思いました。考えてみたら、今の若者の時代は昔よりはるかに豊かです。
 これ以上何がほしいと言われても何もほしくないという状態でしょう。昔は横並びで、隣の家がテレビを買ったらうちも、クーラーを入れたらうちもとなりました。
 今は電化製品も安く手に入りますし、車もいらないという若者が増えています。大企業へ就職するために厳しい受験戦争を戦いましたが、今の若者は大企業に入ってもいつつぶれるか分からないと思っています。
 また今の若者はやさしいです。草食系という言葉がぴったりです。ゆとり世代とも言われるはずです。多分恋愛にもがつがつしていないのでしょう。
 昔はほぼ全員結婚しましたが、今は未婚が普通です。そんな現状に不満のある若者は余りいないのでしょう。それ以上に政治にも関心がないと思います。
 自民党にとって都合が良いかもしれませんが、日本の社会全体として危険です。今数十年前の研究が実を結んでノーベル賞を受賞する学者が増えています。
 ほとんど団塊の世代前後の60歳代です。厳しい受験戦争を乗り越え、不遇であってもひたすら研究に打ち込みました。その成果が数十年後に現れたのです。
 高度成長期の日本もそうでした。今は低成長の時代です。すべてがのんびりということになりました。熱気や活気が若者に感じられません。
 荒れた中学と言われたところでもヤンキーを見かけることはありません。おじさんの勤務する中学でもヤンキー姿をみかけません。繁華街でもそうです。
 ヤンキーという言葉さえ死語となりつつあります。ヤンキーは何かに反抗するだけの熱意があるのです。今の若者はその熱意はありません。大人や先生にとってはありがたいのですが、よく言われるように反抗期を迎えなかった子供は後に問題を抱えるです。
 これから数十年後穏やかだが熱気のない静かな小国に日本はなっているでしょう。不祥事を繰り返す政治や企業を見てそんなところでがんばろうと言う気に若者がならないのもうなずけます。
 明日も専門学校の授業です。