新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

民族宗教から世界宗教へ

 今日は日曜日なので教会でした。よって恒例の教会ネタです。先月まで旧約聖書を題材にした説教だったのですが、今日から新約聖書に戻りました。
 牧師が礼拝で何を説教するかは牧師の自由です。毎回何かテーマにそって説教する場合もあれば、ある聖書箇所について連続して説教する場合もあります。
 有名なのが大神学者カールバルトのロマ書講解説教です。ところで今日から使徒言行録の説教となりました。使徒言行録は何回か呼び名が変わりました。
 長かったのは使徒行伝と呼ばれた時代です。次が弟子たちの記録で現在は使徒言行録になっています。内容に一番近いのが弟子たちの記録です。イエスの弟子たちが各地に伝道してまわった記録なのです。
 イエスが昇天してから弟子たちはイエスの教えを各地に広めていきます。当然ユダヤ教徒の反発は強く、弟子ステファノなどは殉教します。
 弟子のリーダーであるペテロもヤッファというところの皮なめし職人の家に滞在するのです。その時ペテロは不思議な夢を見ます。天から入れ物が降りて来て、そこにはユダヤ教では禁じられている動物が入っているのです。
 そして天からそれを屠って(ほふって 殺して)食べなさいというのです。ペテロはとんでもないことですと言います。すると「神が清めた物を清くないなど、あなたは言ってはならない」という声が天から聞こえるのです。
 以上は使徒言行録10章9節以下の話です。その前にカイサリアというところにいた百人隊長のところにも天の使いの声があってペテロを招けというのです。
 ペテロは百人隊長の使いの者の話を聞いて百人隊長のところに行きます。百人隊長というのは今でいう中隊長のような感じです。軍隊の一番根幹をなす部隊で優秀な士官が任命されます。
 さてペテロは本来ユダヤ人は外国人を訪問したり、交際したりすることは律法で禁止されていますと言います。しかし、「神はわたしに、どんな人も清くない者とか、汚れている者とか言ってはならないとお示しになりました。」というのです。
 ユダヤ教では神に救われるののはユダヤ人だけです。だからこそ選民思想というものがあるのです。それなのにペテロは「どんな人も」と言っています。
 さらに「この方を信じる者はだれでもその名によって罪の赦しが受けられる、証しています。」とも述べるのです。こうしてキリスト教世界宗教へと転身したのです。
 もし、救いはユダヤ人だけだとしていたら、キリスト教ユダヤ教の一分派にとどまり世界中に広がることはなかったと思います。もちろん、パレスチナから遠く離れた日本で礼拝が行われることもなかったでしょう。
 明日は中学の仕事です。平家物語那須与一の話をやっています。