新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

誕生後のイエス

 今日は大晦日ですが、教会はちゃんとあります。ところで、イエスは誕生後ガリラヤで伝道を始めるまでどのように過ごしたのでしょう。
 イエスが伝道を始めたのは30歳くらいからだと言われています。これをキリスト教では公生涯と呼んでいます。詳しいことは述べられていませんが、父ヨセフが大工だったので、大工の仕事をしていたと思われます。
 今日の説教の聖書箇所はマタイ福音書の2章13節以下です。新共同訳聖書のタイトルは「エジプトへ避難する」です。以前から何回も書いているように、イエス誕生の話はマタイ福音書とルカ福音書にしかでてきません。ルカ福音書ではイエス誕生の時天使が羊飼いたちのところにイエス誕生を告げに来たとあります。ルカ福音書では次に出てくる記述は少年になったイエスエルサレムの神殿に両親と来た話です。
 ところが、マタイ福音書では別の話がきます。それがエジプト脱出の物語です。先週書いたように、ヘロデのところを訪れた占星術の博士たちは、ヘロデの依頼にもかかわらず、ヘロデのところによらず別の道を通って帰ってしまいます。
 その後父ヨセフはまた不思議な夢を見ます。「子供と母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。」というものでした。
 ヨセフはこの夢のお告げを信じます。マリアの妊娠の時も夢を信じ、今回のエジプト脱出についても夢を信じます。なぜそんなことを書いたのかというと、いずれも大変な決断が必要なことだからです。
 聖書の記述によれば「ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへさり」とあります。おじさんが注目したのは、「夜のうちに」です。現代のよう照明のなかった時代夜行動するのは極めて危険だったのです。
 まして、生まれたばかりの子供と出産して間がない妻をつれてエジプトまで旅をするのはよほどの覚悟が必要であったと思います。
 マリア信仰に隠れて父ヨセフの信仰は余り語られませんが、ヨセフも強い神への信仰をもっていたと思います。ヨセフの家族がエジプトへ脱出した後、疑心暗鬼にかられたヘロデは子供を皆殺しにして、自分の地位の安泰をはかろうするのです。
 ヘロデが死ぬと主の使いがまたあらわれて、イスラエルへの帰還を進めるのです。イスラエルに帰ってからも夢でお告げがあって「ガリラヤ地方に引きこもり、ナザレと言う町に行って住んだ」とあります。
 イエスの誕生の預言から最後のイスラエルでの住む場所までことごとく神の使いが夢に現れて指示するのです。日本ではキリスト誕生の物語しか知られていませんが、実はその後もドラマチックな展開があったのです。
 明日は正月なので家でのんびり過ごします。