「日本軍兵士」(中公新書)を読む
今日は天気も良く知人に誘われたので、近隣地区をドライブしました。以前から行って見たかった神社や公園を探しながら行きました。
時間ばかりかかって大した収穫はありませんでしたが、以前から気になっていた公園への道が見つかったりして楽しかったです。
さて、今日は最近読んだ本についてです。タイトルの本には副題がついていて「アジア・太平洋戦争の現実」とあります。また帯には「凄惨な体験は何を語るか 彼らが直面した戦争と軍隊」たあります。
以前からもし日本軍がこのような作戦を立てていたら勝てたとかあの時こうすれば戦争に勝てたという本をよく見かけました。
しかし、この本を読む限り、小手先の作戦や戦術だけでは日本軍は勝てなかったと思います。よく無謀な戦争と言いますが、まさにその通りだと思います。
一番大きな問題は当時の日本軍が兵士を人間として考えていなかったことです。もし人間であれば、食べもするし、衣服もいるし、病気にもなります。極端な話虫歯にもなるのです。
しかし、当時の日本軍の思想では、精神力さえあれば、肉体などどうにでもなるというものでした。逆に言えば兵士を人間らしく生活させようとすれば膨大な兵站を準備しなければなりません。
当時の貧弱な工業力では兵器生産など直接戦闘にかかわるもの以外にさく力はなかったと思います。工業力や技術力の差を精神力で補うしかなかったのです。
日本軍の思想でいえば軟弱な肉体は排除すべきものでした。肉体も兵器の一部と考えたのでしょう。壊れた兵器は捨てるしかありません。修理不能になった段階で破棄です。
人間の場合、病気やけがをして回復不能となったら自ら死を選ぶしかなかったのです。また、降伏を禁じたため死ななくてもよい大勢の人間が死にました。
降伏を認めれば、精神力だけで戦っていた兵士の士気が一気に崩れるからそれを怖れたのでしょう。戦国時代でも降参することも敵に寝返ることもありでした。
最新の武器の購入については熱心ですが、自衛官の持つ小火器については世界の潮流から大きく遅れています。ライフルや機関銃、マシンガン、拳銃といったところはたぶん中国軍などより劣っているでしょう。
明日はのんびり過ごします。