主よ人の望みの喜びよーバッハ
今日は日曜日なので教会でした。第一主日はとても忙しいです。まず教会学校の説教に、礼拝、長老会(役員会)があります。おまけに長兄のところに新年のあいさつに行って、帰りの古本を売って最後に買い物をして帰りました。
古本は文庫と新書ですが、発刊間もないものばかりなので、10冊で1600円ももらえました。以前は1冊十円単位だったので驚きです。上中下とある文庫は全てそろえてから売るようにしています。こうすると高く売れるようです。また新聞などで話題になった新書も高くうれます。
さて今日のタイトルはある方から聞かれたものについて書いています。ご存じのようにバッハは教会付きの音楽家だったので、聖書を題材にした作品を多く作っています。
逆に聖書知識がないと曲を理解するのが難しいと思います。依頼された方はピアノ教師で、以前からいろいろな曲について、作曲家の製作意図について教師仲間で研究会を開いていたそうです。
作曲家の製作意図を理解しないでピアノを弾くと、たんに楽譜の音を再現するだけになるそうです。たとえば芝居の台本を棒読みするようなものです。確かに台本に書いてある通りですが、それではドラマになりません。
台本の中の人物の気持ちになってセリフを言わないと劇になりません。今回のタイトルの曲はどうも誰かと対話しているようだというのです。あるいはある人が祈ってそれに神が答えているのかもしれないというのです。
それなら、何を祈っているのかということになります。いろいろネットで調べた結果これはルカ福音書の2章1節以下がテーマになっていることが分かりました。
これが分かれば後はイメージできます。ではどんな内容なのでしょうか。日本人にはほとんどなじみのない内容なのです。乙女マリアについては良く知られています。
マリアはこのエリザベトと親類なのです。マリアが山を越えてこのエリザベトに会いに行った時の話がこのバッハの曲なのです。
マリアもエリザベトも信じられない奇跡によって妊娠するのです。それをエリザベトはマリアに告げます。またマリアのお腹にイエスがいることを知って、エリザベトのお腹にいたヨハネが喜ぶのです。聖書の言葉をかりると「その胎内の子がおどった」とあります。
エリザベトはマリアを祝福して「あなたは女の中で祝福された方です。」といいます。同時に「胎内のお子様も祝福されています。」と言います。
続けて「あなたのあいさつのお声を私が耳にした時、胎内の子は喜んでおどりました。」というのです。それに続くのが有名なマリアの賛歌です。
以前マルチンルターの書いた「マリアの賛歌」という本を読んだことがあります。依頼された方はある部分で大きくメロディーが盛り上がっていると言いました。
この盛り上がりは何でしょうとも言いました。これがマリアの賛歌の部分だったと思います。マリアは「私の魂は主をあがめ、私の霊は救い主である神を喜びます。」と言います。
タイトルの「喜び」とはまさにこれです。「人の望み」とは神が自分を選んでくださったという喜びです。マリアは「身分の低い、この主のはしためにも、目を留めてくださった」ことをも喜んでいます。
マリアの望みは主が力弱いものを救ってくださることです。こうしてマリアは心満たされてかえって行きます。曲には最初と最後に同じようなメロディーがあります。
これはマリアがエリザベトのところに来る部分と帰っていく部分だと思います。何とか依頼に答えられそうなので一安心です。
明日は教会の仕事や今月ある専門学校の試験の準備をします。