漢詩の思い出ー中国滞在中のこと
今日は中学校の仕事でした。今漢詩をやっています。古文は懐かしいです。中国では漢詩の朗読などがとても盛んです。本屋さんでも漢詩の本がたくさん売っています。
また漢詩の朗読大会などもあります。そういえば子供向けの漢詩百選と言った本も売っています。以前一番弟子の高校を訪問した時、有名な李白の「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に行くを送る」と言う詩の書き下し文を教室の黒板に書いたら大好評でした。
それも北京や上海などの大都会でなく、日本人が数百人しかいない地方都市なのです。それで、おじさんは名刺を出して、この町の国立大学の日本人教師であると自己紹介しました。
やはり懐かしくてつい口に出して読んでしまいました。おじさんの町にある陶磁器の積出港に行った時もおもしろいものを見ました。
読者のみなさん科挙をご存じですか。世界で一番難しく過酷な試験と言われるものです。これに合格すると進士の資格がもらえます。
日本でいえばキャリアです。出世まちがいなしの試験です。それにこの港町から何人も合格したのです。その港には翰林院という私塾があったのたのです。
おじさんは感動してこの翰林院の説明板を読んでいました。すると中国人の学生さんがやはり不思議そうに見ていました。現代中国の学生さんにとって科挙など歴史の中の出来事です。
その説明を外国人それも東洋人が熱心に読んでいるのです。もちろん中国語で書かれていますが、所詮漢字なので大体の意味は分かります。
中国人が日本の文化財の説明板を読んで感心しているのを日本人が見る感覚なのでしょう。現代中国の人には中国嫌いと思われている日本人が古代中国の文学をまなんでいるとは想像しにくいでしょう。
中国の滞在してみていろいろなことが分かりました。明日は専門学校の授業です。