新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

暗唱の重要性

 今日は中学の仕事でした。中学では今暗唱のテストがあっています。今回の暗唱は漢詩です。以前ちょっと書いたことがあります。
 孟浩然の「春暁」・杜甫の「絶句」・李白の「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に行くを送る」の3つです。当然この3つを全て暗唱しなければなりません。
 題名や作者も含めて暗唱します。中学生のみなさんは結構大変そうでした。おじさんも子供の頃暗唱されられたことがあります。とにかくやみくもに暗記しようとすると難しいです。
 今考えれば意味を考えながら覚えていくとうまくいきます。李白の長い題名でもどこで、誰を、送る詩なのかを考えながら覚えるとうまくいきます。
 おじさんの場合覚えているのは英語の詩を高校時代暗唱されられたことです。ワーズワースの「水仙」という詩です。今でもその書き出しの部分を覚えています。
 中学では枕草子の書き出しとか平家物語の書き出しとかを暗唱させているようです。暗唱できるのは若いころだけです。また若いころ暗唱したものは年をとっても覚えているのです。
 そういえば、中国の大学でも日本語会話の時間に暗唱テストをしました。中原中也の「一つのメルヘン」です。これは「さらさらと流れているのでした。」というフレーズが繰り返しでるのです。
 日本語の響きがとても良いので取り上げました。学生さんにも好評でした。前述の李白の詩は中国で知らない人はいません。もしビジネスマンが中国へ言った時、この詩を書いて中国人に見せたら皆大喜びするでしょう。
 おじさんも一番弟子の出身高校を訪問した時、あるクラスでこの詩を黒板に書きました。すると皆驚いて歓声を上げました。
 日本人がすらすらと中国人ならだれでも知っている詩を暗唱していたからです。相手国の文化を理解することが相手国に対する最大の敬意です。
 中国語が話せなくても、漢字の意味はほとんど同じですから、書き下し文を書いただけで十分理解してくれます。今の時代は暗唱より発表とか討論と言ったものが重視されますが、暗唱は一生の財産だと思っています。
 明日は専門学校の仕事です。水曜日は試験です。