新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中学国語教科書に現れたベトナム帰還兵-「ゼブラ」

 今日は中学の仕事でした。今日の単元はベトナム帰還兵のお話です。作品の名前は「ゼブラ」と言います。片腕のない美術講師とゼブラというあだ名の少年との交流描いたアメリカの物語です。この美術講師は夏の間だけ講座をもつのです。
 このベトナム帰還兵の美術講師が亡くした親友のことを懐かしむものです。主人公自身戦争で片腕を失っているのです。
 印象深かったのは、本文の中ではっきり、ベトナム戦争のことをアメリカがベトナムに負けた戦争と書かれてあったことです。
 先の大戦では今でも敗戦といわず終戦と言っているのと大違いです。ちなみにこのベトナム帰還兵はヘリコプターパイロットでした。ですから美術講師にとってヘリコプターは特別な思い出があるのです。
 少年はそれを知った上でヘリコプターの絵を描きます。そして自分のあだ名である「ゼブラーシマウマ」をそれに書き足すのです。
  美術講師は講座終了後、亡くなった兵士を記念する碑の前で写真を撮って、登場人物の少年に送ってきます。 担任の先生はその写真を見て「指で目の辺りをなぞった」と書かれています。
 その先生は同時代人として、ベトナム帰還兵の悲惨さを知っていたのです。ただ日本の中学生にとってベトナム戦争は遠い昔のことです。
 実感をもって受け止めることはできないと思います。アメリカのすごいところは、ベトナム戦争を正面から受け止めているところです。
 日本のように明らかな敗戦を終戦と言い換えたりしません。敗北は敗北なのです。また日本の作品では戦争で片腕を失った主人公なども出てきません。先の大戦傷痍軍人が題材になったりはほとんどしないのです。
 せいぜい横溝正史推理小説瀬戸内少年野球団の映画くらしかおじさんは思いつきません。この小説は少年の物語ですが、ベトナム反戦運動が華やかだった時代を生きたおじさんとしては複雑な気持ちです。
 作品には戦争の悲惨さあるいは反戦が底流に流れているのですが、よく文部科学省の検定を潜り抜けたものだと感心しました。
 中学では毎日驚きがあります。ところで相場はまた大幅安です。とうとう21000円台突入です。「もうはまだなり」を地で行く相場です。
 もう下がらないだろうと思ったらまだまだ下がっているのです。こんな危ない相場には近づかないのが一番です。間違っても落ちてくるナイフを掴むようなことはしない方がいいと思います。
 週刊誌にあおられて1月頃に株を購入された方はお気の毒です。やはり「週刊誌が株式特集を組んだら相場は終わり」という格言は正しかったようです。明日も中学の仕事です。