新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

北朝鮮の粘り勝かートランプ大統領の体制保障

 このところ忙しかったので今頃ブログを書いています。今日注目すべき報道がなされました。米朝首脳会談に関するものです。
 米韓の軍事演習に対して北朝鮮米朝首脳会談中止までほのめかしました。これに対してアメリカがどうでるか注目されていました。
 もしアメリカが強気にでれば、首脳会談中止の可能性も出てきたのです。北朝鮮の非核化をどう進めるかが今回の会談の中心だったのです。
 日本で言われているように北朝鮮が焦っているとしたらあんな強気な発言はできなかったでしょう。日本の保守派は北朝鮮のおどしでアメリカが屈するはずはないと見ていたようです。
 しかし、アメリカ政府内の強硬派であるボルトン補佐官の意見は見事にトランプ大統領によって否定されました。ボルトン補佐官の意見に期待した日本の保守派の人も多かったと思います。
 逆に言えば保守派の人は、ボルトン補佐官の意見はトランプ大統領の意向をくんだものだと思ったのです。しかし、期待は見事に外れました。
 日本では北朝鮮崩壊論が支持されてきましたが、今回のトランプ大統領の体制保障発言は日本の保守派の人にとってショックだったと思います。
 もちろん保守派の象徴である安倍首相にとってもショックだったでしょう。一番ショックだったのは安倍さんかもしれません。
 トランプ大統領の体制保障発言には拉致問題等の言及はありませんでした。おまけに非核化がなされた後に経済制裁を解除するというボルトン補佐官の意見は完全に本人の目の前で否定されたのです。
 そして非核化の進行と同時進行で経済制裁を解除するという南アフリカ方式が採用されそうです。そうなると勘定書きは日本にまわってきます。
 日本が戦後補償として北朝鮮に経済援助をしなければならなくなります。もし日本がお金を出さないなら北朝鮮も非核化を進めないと言ってくるでしょう。
 しかし、いくらアメリカがお金を出せと言っても、強硬な経済制裁を主張したことで保守派の支持を得た安倍政権としてはおいそれとアメリカの言い分を聞けないでしょう。
 アメリカからは金を出せと迫られ、出せば保守派の支持を失い、出さなければ非核化が進まないのは日本のせいだとアメリカ・韓国・中国から非難され孤立することになります。
 その間に米朝中韓の四カ国で朝鮮戦争終結後の話合いがされる可能性があります。今の状況では日本は北朝鮮問題ではしごをはずされた状態です。
 今回のトランプ大統領の発言で北朝鮮だけでなく中国も韓国もほっとしているはずです。がっかりしているのは、日本とボルトン補佐官だけです。
 あれだけメンツをつぶされたのですから、案外早期にボルトン補佐官は辞任するかもしれません。やはり国際政治も含めて政治は一寸先は闇です。そういえば昔独ソ不可侵条約を知って、欧州の政治は不可解なりと言って辞任した総理大臣がいましたが、安倍さんも同じことを言って辞任するかもしれませんね。
 明日はのんびり過ごします。