新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

教育で一番難しいこと。-馬を水辺まで連れてこれるが飲ませられない

 昨日は中学の仕事で、今日は専門学校の授業でした。授業をしながら思ったことを書きます。そういえば、教育にAIを導入するとか、一斉授業でなく生徒が討議するような授業が言われています。
 しかし、一番肝心なところが議論されていません。それは勉強をしたくない生徒にどうすれば勉強させるかということです。
 生徒は誰でも勉強をしたいものだというのは幻想です。勉強をしたいと思っている生徒は少ないです。勉強することが何らかの利益につながるか、将来の役に立つと思えば勉強できます。
 それでも本質的に勉強が嫌いな生徒もいるのではと思います。それはおじさん自身の体験からもあります。おじさんはスポーツ芸能が大嫌いです。
 世の中スポーツが好きな人の話は多いのですが、嫌いな人も結構多いと思うのです。スポーツは楽しいといくら説かれても嫌いなものは嫌いです。
 それより部屋で本を読むのが好きなのです。逆にスポーツは好きだが読書は嫌いだという人も多いでしょう。今中学で仕事をしていますが、勉強が苦になる生徒も多いです。
 国語が嫌いで数学が好きならよいのですが、勉強から逃げたくてたまらない生徒がクラスで2割くらいはいます。専門学校の場合、さらにひどいです。
 そもそも日本に来たのが進学のためというより働くためという学生さんがほとんどです。日本のあるレベルの大学に進学したり、会社に就職するためには相当日本語ができないとダメです。
 日本人と同じレベルで授業を受けるのですから当然です。会社の場合は、働いて成果を上げてもらわなければなりません。アルバイトだとそれほどのレベルの日本語は必要ありませんが、正社員として働くとなると大変です。
 アメリカの会社で英語を使って仕事をすることを考えればすぐわかります。今教えている学生さんにはとても無理です。本人たちも向上する気力もなさそうです。
 一日中勉強して初めて可能になるのですが、働きながらではとても無理です。しかし、授業に出なければ、在留資格を失い強制的に帰国させられます。
 一番大切なのは教室に座っていることだけなのです。さりとて専門学校のレベルを落とすわけにはいかなにのである程度難しいことをします。
 ひどい学校だとテレビやビデオを見せて時間を過ごしたりするところもあります。これだと教える先生も楽だし学生も騒がないのでよいのです。
 学習に対する動機づけこそ一番難しいです。中学生や留学生にどうすれば動機づけができるのか悩んでいます。やはり教育は人間対人間の作業だということが分かりました。
 明日も中学の仕事です。